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米9月小売売上高は8ヵ月ぶり減少、iPhone 6発売が仇に

by • October 15, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2371

Blame It On iPhone 6:Retail Sales Drops For The First Time In 8 Months.

米9月小売売上高は前月比0.3%減となり、市場予想の0.1%減より弱い結果だった。前月の0.6%増から減少に反転。8ヵ月ぶりに減少に転じた。新学期セール要因がはく落したほか、アップルの新型スマートフォン「iPhone 6/6 Plus」の販売をめぐりこちらの調査にあるように服飾をはじめ他の支出を削減させた可能性がある。なお「iPhone 6/6 Plus」と合わせ、発売からわずか3日間で全世界で1000万台以上の売上を記録。アップルにとって過去最高を記録していた。

内訳をみると、13カテゴリー中4項目が増加。前月の12項目を大きく下回り、自動車を除いた場合でも0.2%減と市場予想の0.2%増からマイナスに転じている。減少項目は、8つに及んだ。

(主なプラス項目)
・電気製品→3.4%増、3ヵ月連続で増加し2013年4月以来の高水準
・外食→0.6%増、5ヵ月連続で増加
・健康→0.3%増、増加基調を維持
・一般小売→0.2%増、4ヵ月連続で増加(*ただし百貨店は±0%)

(主なマイナス項目)
・服飾→1.2%減、4ヵ月ぶりに減少し2012年10月以来で最大の下げ幅
・建築材→1.1%減、前月の0.5%増から減少に反転
・オンラインを含む非店舗→1.1%減、5ヵ月ぶりに減少
・自動車→0.8%減、前月までは2ヵ月連続で増加
・家具→0.8%減、前月の0.3%増から減少に反転
・ガソリン→0.8%増、2ヵ月連続で減少
・その他小売→0.2%減、5ヵ月ぶりに減少
・スポーツ衣料品→0.1%減、4ヵ月ぶりに減少

(横ばいの項目)
・食品/飲料→±0%、前月は0.4%増

5thアベニューのアップルストア、発売開始当時はものすごい人出でしたね。
iphone 6
(出所:My Big Apple NY)

バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミストは、今回の結果を受けて「ガソリン価格が下落したにも関わらず個人消費は7−9月期のコア小売売上高(自動車、ガソリン、建築材を除く)は0.2%減と当方の予想値0.4%増からマイナスに転じた」と失望を表しています。また個人消費そのものも「7−9月期は前期比年率3.8%増と、4−6月期の6.5%増から減速した」と指摘。その上で、米7−9月期国内総生産(GDP)見通しを従来の3.3%増から3.0%増へ下方修正させました。米8月企業在庫の結果を合わせても、3.0%増としています。

ゴールドマン・サックスは同じく、米7−9月期GDP見通しを従来の3.5%増から3.2%増へ、米10−12月期GDP見通しも0.25%ポイント引き下げ3.0%増に設定した。

——以上、米8月小売売上高が発表された当時から様相は180度転換してしまいました。あの頃は、9月16−17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、「相当な期間の低金利(considerable time)」の文言削除を予想する市場関係者が半数近かったなんて、まるで嘘のようです。

足元ではアメリカ国内でのエボラ出血熱アウトブレイクへの懸念もあって、ウォールストリートの片隅から「量的緩和・第4弾(QE4)もありうるのではないか」との声が聞かれております。コロンビア大学の教授を務めるグレン・ハバード元米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は、「金融政策の余地は非常に狭く低金利やQEがあまり経済に役立たないことは明らかで、財政政策の必要性がある」と否定していましたが・・。

(カバー写真:Lightspeed Retail)

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