Taylor Swift Resists Her Urge To Shake Off Her Frustration Over Spotify.
テイラー・スウィフトといえば、現代のミュージック・アイコン。10月27日にリリースしたアルバム第4弾「1989」は発売初週に128万枚と、今年初のミリオンという快挙を成し遂げました。路線をこれまでのカントリーからポップへ移行したテイラーちゃんの真骨頂たるこの作品、業界からのウケも上々です。
発売から約1週間後の11月3日、スウェーデンの音楽ストリーミング配信サービス最大手スポティファイと剣先を交わしたことで大きな話題となったことも記憶に新しい。歌姫テイラーはニューアルバムの「1989」(彼女の生まれた年で、ヴァン・ヘイレンの「1984」とは関係なし)をはじめ、そのほかの楽曲アルバム全てにわたり配信契約の中止を決断したのです。そういえば前作の「Red」も、数ヵ月にわたって配信を差し止めアルバム売り上げにつなげる「ウィンドウ」戦略を実践してましたっけ。
ちなみに、一切予告なしのiTune先行販売で世界中を驚きの渦に巻き込んだビヨンセも、最新作「ビヨンセ」はスポティファイに提供せず。シングル曲など一部のみストリーム可能な状態です。他アルバム、楽曲は聴けますけどね。
振り返ればテイラーちゃん、事前に音楽ストリーミング配信への不満をぶつけておりました。7月7日付けのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙に寄稿し「音楽という貴重な芸術に相応の対価をし支払うべき」と主張。アルバム売上減少による経済的な打撃を受けた被害者である、と訴えていたんです。
4ヵ月前とあって説明不足と感じたのか、タイム誌のインタビューに応じスポティファイに牙を剥きます。いわく「(アップル傘下の)ビーツ・ミュージックやラプソディーはアルバムにアクセスするにはプレミアム料金を支払わなければいけないけど、スポティファイは私が創った音楽への価値を認識していないのか、そうした配慮がまるでないの」。
カバー写真に悪意が感じられるのは、私だけでしょうか。
(出所:TIME)
では、スポティファイの言い分を聞いてみましょう。
スポティファイはブログで、アクティブ・ユーザー数が5000万人を突破したと明らかにしています。そのうち、月額9.99ドル(1160円)のサービス利用者は1250万人。利用者の増加に合わせ、著作権など権利者への支払い額は20億ドル(2320億円)に達しました。サービスを開始した2008年から支払い額が10億ドル(1160億円)を突破するのに5年要したというのに、20億ドル超えにかかった期間はたった1年。いかに最近で急速に発展したかが伺えるというものです。
テイラー級のスーパースターともなれば、支払い額は相当な水準が予想されますよね?スポティファイによると、仮に「1989」を含むアルバム・楽曲を撤去しなければ年間「600万ドル(6億9600万円)」と見積もっています。テイラー側が主張する「2013年米国内ストリーミング配信向け権利支払い額、50万ドル(5800万円)」とは、桁が違ってくるんです。
スウィフトのSは、$に通ずる?
(出所:Instagram/Taylor Swift)
実際にスポティファイがテイラーにいくら支払ってきたのか、真相は薮の中。本当のところがどうかは分かりませんが、短期戦では炎上商法のごときマーケティング術を駆使したメディア・エクスポージャーが奏功しアルバムがミリオン・セラーに輝いた通り、テイラーが圧倒的勝利な勝利を収めたと言えるでしょう。
長期戦では、どちらに軍配が上がるのか。今年に入ってカントリーの都、テネシー州ナッシュビルからニューヨークに引っ越しNY市の観光大使に就任したテイラーちゃん、お金持ちになる考え方を実践するなかで快進撃が続くのか楽しみです。新居は、映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督がかつて住んでいたトライベッカにある19万9500万ドル(約23億円)相当のペントハウスですし、広々とした贅沢な空間でたっぷり英気を養えること間違いないでしょう。
(カバー写真:AP)
Comments
オマハの賢人、デュラセル買収の本意とは Next Post:
米10月小売売上高、ホリデー商戦前に前月分の減少を相殺