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全米企業エコノミスト、2015年成長見通しに楽観的

by • December 8, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2395

NABE Economists Expect Faster Growth In 2015 And Slower Tightening.

全米企業エコノミスト協会(NABE)が最新版の経済見通しを発表しました。

10月半ばに調整入りが近づいたものの見事な切り返しをみせたためか、2015年成長率は3.1%増とし今年の予想値2.2%増を上回るシナリオを描いています。失業率は、5.4%を予想。米11月失業率の5.8%から改善トレンドを維持すると考えており、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)で公表した経済・金利見通し最新版のレンジ下限に当たります。

ところが、Fedの第1弾利上げ時期の予想になると慎重スタンスを強めていました。過半数はウォールストリートと同じく「2015年半ば」を予想した一方、46%と半数近くが「2015年7−9月期」を挙げ、前回の26%から大幅低下しています。力強い労働市場を示した米11月雇用統計前の調査結果ですから、次回は逆に前倒しされるでしょう。

FF金利誘導目標の予想も2015年末は0.75%と前回9月時点の0.845%を下回っており、一段と緩やかな利上げ見通しを想定しています。米10年債利回り見通しも2015年末は3.2%と、前回の3.5%から引き下げられていました。低インフレが継続するとの見地に立っているためで、2014年予想は1.6%のところ、2015年は1.7%と若干の上昇しか織り込んでいません。賃上げ加速を予想していないことも一因でしょうが、2015年個人消費の伸び率は2014年超えを想定しています。

CNBCによると、NABEに所属する48名のエコノミストを対象に11月4−17日に実施した調査内容は以下の通り。

・個人消費支出 2014年は2.2%増、2015年は2.7%増
(新車販売台数は2014年に1600万台、2015年は1680万台を予想)
・鉱工業生産 2014年は4.0%増、2015年は3.5%増
・住宅着工件数 2014年は100万件、2015年は92万件
・財政収支 2015年度(2014年10月−15年9月)は4600億ドルの赤字、2014年度の赤字は4830億ドル
・実質時間当たり賃金 2014年は3.0%増、2015年は2.6%増(雇用統計の数字とかい離していますが、2015年に伸びが加速すると見込んでいないことが分かります)
・企業利益 2014年は3.8%増、2015年は6.7%増
・S&P500 2014年は2050p、2015年は2167p
・貿易収支 2014年の輸出は3.5%増、2015年は5.4%増、2015年の輸入は4.4%増で前回5.7%増から下方修正

興味深いのは、貿易収支。ドル高にも関わらず2015年の輸出加速と輸入の伸び縮小を予想しています。先進国の景気低迷を予想する回答は56%だったのですが、こちらも成長見通しと同じく非常に楽観的ですね。先進国の景気低迷について「長続きしない」との回答が30%と、さほど悲観的ではなかったからでしょうか。

(カバー写真:Ty Wright/Bloomberg)

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