High Price Of Living In NYC : No Savings.
全米で一番、リッチになれる都市をお伝えしたばかりですが、ひとつ追加させて下さい。ニューヨーク市は、確かに所得水準の高さで知られています。しかしNYに住んでいれば、いくら稼いでも貯金するなんて夢のまた夢。玉の輿を狙う女性が「未来の夫の年収が20万ドル(約2400万円)じゃ、左うちわで生活できない!」と不安視したように、生活費が馬鹿にならないからです。
特に、家賃は切実な問題としてニューヨーカーの肩に重くのしかかります。
住宅情報サイトのストリートイージーによると、2015年の家賃中央値は2700ドルにのぼる見通し。所得に占める家賃の割合で換算すると、NY市の場合58.4%に到達してしまうのですよ。せっかく稼いだお金の半分以上が空しく家賃に消えるなんて、考えられますか?
地域別では、ウィリアムズバーグやダンボなどヒップなミレニアル層を抱えるブルックリンが60%と最も高い。次いでブロンクスが52.0%、マンハッタンが48.8%、クイーンズが41.4%と並び、スタッテン・アイランドでようやく30.1%に低下します。NY市内で快適に生活するには、スタッテン・アイランドに行かないと所得に占める家賃の割合で理想的な上限にあたる30%に収まらないというわけです。所得水準によって異なるためマンハッタンはブルックリン以下だった半面、NY市民の所得中央値(試算ベース)5万5300ドル以下が多いブロンクスでは上振れしています。
真っ赤な地域は所得に占める家賃の割合が60%以上、オレンジは40−60%、薄い緑は20−40%、濃い緑は20%以下を示す。
(出所:Streeteasy)
特にシェアが高い地域は、以下の通り。マンハッタンビルと呼ばれる125丁目以北、135丁目以南のエリアでは120.9%と所得を上回る計算になるというから恐ろしい。大人気スポットのウィリアムズバーグでも、86.1%なんですね。
マンハッタンではチャイナタウンやハーレムなど比較的、所得水準の低い地域が目立つ。
(出所:Streeteasy)
完全に売り手市場と化したNY市の賃貸物件市場。空室率を見ても、明らかです。2014年は3.45%と、2014年10−12月期の全米の数値7.1%を大きく下回っています。販売向け住宅が2009年のピークから39%縮小していることも、潜在的住宅購入者を賃貸住宅居住者にとどめている理由のひとつ。全米での2014年10−12月期住宅保有率は63.9%と1994年以来の低水準でしたが、ニューヨーク市では30.4%に過ぎません。住宅を購入するためには当然ながら他の都市と比べ高収入でなければならず、住宅オーナーになるのもひと苦労というものです。
NY市が実施した2014年住宅空室調査では、所得に占める家賃の割合は33.8%でした。ただし、3人に1人が50%以上を負担しているとも伝えています。こんな状況では住宅購入はおろか、貯金すらままならず。以前にこんな記事を配信いたしましたが、実際に家人の兄や従兄弟は家賃高騰を背景にテキサス州やジョージア州など南部へ引っ越していきました。脱出組には、顔を合わせる度に「NY市にこだわる必要はない」と力説されていますよ・・。
(出所:Jérôme/Flickr)
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