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米3月チャレンジャー人員削減予定数は鈍化も、3ヵ月連続で増加

by • April 2, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2647

Job Cuts Slow, Still Increase 4 Months In A Row.

米3月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比6.4%増の3万6594人だった。4ヵ月連続で増加した結果、過去6ヵ月間で5回目の増加に。もっとも、2013年2月(5万5356人)以来の高水準を示した1−2月の5万人台を超えからは減少。前月比では27.7%減少し、2ヵ月連続で改善している。今回も原油安を背景に、人員削減予定数のうちエネルギーが占める割合が最も大きく35%だった。2月の38%、1月の40%からは縮小している。

4大地域別では、前月と同じく3地域で減少した。大寒波が収束した北東部は9.4%減の7315人と2ヵ月連続で減少。エネルギー産業に依存する南部は48.1%減の4449人となり、こちらも2ヵ月連続で改善した。IT関連の雇用が目立つ西部も53.8%減の1万71405人となる。シェールガス関連を抱える中西部のみ103.6%増の1万3425人と、5ヵ月ぶりの高水準だった。

月ベースでは、3ヵ月ぶりの低水準。
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(出所:Challenger, Gray And Christmas)

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「石油採掘・掘削関連企業の人員削減を除けば、1−3月期は10万件を割り込み1990年半ば以来の低水準だった」と評価。ただし「エネルギー関連の1−3月期人員削減予定数は3万7811人におよび製造業関連にまで波及し、前年比で3900%増に達した」と付け加えており、原油安が残した爪痕の大きさを物語る。

1−3月期に人員削減が多かったセクター、ランキングは以下の通りで%は前年同期比を示す。

1位 エネルギー 3922%増の3万7811人
2位 小売 23%増の2万2502人
3位 産業財 158%増の1万7738人
4位 最終財 44%減の8556人
5位 コンピューター 25%減の6860人

人員削減予定件数のセクター別をみると、1位はドル高の影響か産業財で9389人と2月の3位から浮上した。2位は3ヵ月連続で小売で6640人、ターゲットが本社を中心に数千人のリストラを発表したことが響いたとみられる。3位はヘルスケアで2558人だった

リストラ実施の理由、3月のランキングは以下の通り。

1位 再編 1万4244人 年初来 4万4251人
2位 原油安 7989人 年初来 4万7610人
3位 閉鎖 6225人 年初来 1万5927人
4位 M&A 2552人 年初来 4396人
5位 需要低下 2129人 年初来 5760人

採用予定人数は6412人と、2014年10月以来の高水準を遂げた2月の1万4574人から減少した。1位はガソリン価格の下落を背景に自動車が2535人で前月の2位から浮上している。2位は通信で982人と、前月のゼロから増加。3位は航空で430人と、こちらも2ヵ月連続でゼロを経て増加に転じている。なお小売は430人となり、2014年12月から2月まで3ヵ月連続での0人から改善した。

——以上、人員削減予定件数は4ヵ月連続で増加しつつ伸びはエネルギー関連が主導し縮小しました。米新規失業保険申請件数に収れんしつつあります。一方でチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの結果をみると、採用数の伸びは限定的。米3月ADP全国雇用者数も20万人の大台を割り込んでおり、米3月雇用統計はどちらの結果に微笑むのでしょうか。

(カバー写真:lsyx720/Flickr)

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