Wholesale Inventories Indicates Almost Zero Growth In Q1.
米2月卸売在庫は前月比0.5%減となり、市場予想の0.2%減より弱い結果となった。前月の0.2%減(0.3%増から下方修正)に続き、5ヵ月連続で減少している。石油を除いた場合も0.5%減と、2ヵ月連続で減少した。内訳をみると非耐久財が1.1%減と3ヵ月ぶりに減少し、特に薬品が3.5%減と6ヵ月ぶりにマイナスへ落ち込んだ。一方で食品は0.9%増と、3ヵ月連続で増加している。耐久財は0.1%減と減少トレンドを維持し、そのうち自動車が1.0%減と落ち込みが大きく4ヵ月ぶりに減少した。コンピューターは0.6%減と減少トレンドを維持。機械も0.1%減と、3ヵ月連続で沈んだ。
卸売売上高は0.2%減と、市場予想の0.2%増に反し減少した。前月の1.9%減(1.3%減から下方修正)を含め、4ヵ月連続で減少。石油を除く場合が0.6%増へ転じており、原油安が響いた様子をあらためて示している。内訳では耐久財が1.2%増となり、コンピューターが0.1%増と支えた。もっとも機械は1.4%減と4ヵ月ぶりに減少に転じ、自動車は0.3%減と2ヵ月連続で減少した。非耐久財は1.6%減で、4ヵ月連続でマイナスをたどる。石油関連が10.1%減と4ヵ月連続で大幅に落ち込んだほか、食品が0.3%減と前月からマイナスに転じた。薬品のみ0.7%増となり、前月の減少分を打ち消した。在庫相当は1.36ヵ月で、直近で最長となる前月の1.37ヵ月より短縮。前年同期の1.31ヵ月は超えた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「予想外に弱かっただけでなく1月分も下方修正されたため、米1-3月期国内総生産(GDP)予想を従来の0.7%増から0.2%増」へ引き下げた。ただし「在庫調整は年初で一巡したようだ」と指摘し、4-6月期に在庫が成長を下押しするリスクは低いとの考えを示した。
ゴールドマン・サックスも、1-3月期GDP予想を従来の1.2%増から0.9%増へ引き下げた。バークレイズは従来の0.4%増から0.3%増へ下方修正している。
注目のアトランタ連銀による1-3月期GDP見通しは、米2月卸売在庫を受けて従来の0.4%増から0.1%増へ下方修正された。試算を開始した2月時点では3%超えだったものの、ゼロ成長に近い数字にとどまる。
――米国の1-3月期成長率はここ数年、季節調整に関わる誤差が指摘され今年から調整されたかと思いきや、やはり年初の低空飛行は避けられませんでした。4-6月期は在庫投資の改善が期待されるものの、企業の設備投資や貿易収支に明るい材料は見当たらず、力強い回復を果たすかは依然として定かではありません。
(カバー写真:Economic Calender)
Comments
米国でのレストラン予約、有料制がDCでも静かに浸透 Next Post:
クリントン候補、NY地下鉄の改札でお茶目な姿を披露