13983234966_3c49364ac8_z

米7月ISM製造業景況指数は下振れ、サービス業も約3年半ぶりの低水準

by • August 14, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1244

ISM Manufacturing Index Decline, Service Activities Also Down.

7月のISM製造業景況指数、マークイット製造業PMI確報値、ISM非製造業景況指数、マークイット・サービス業PMI確報値をおさらいしていきます。

米7月ISM製造業景況指数はと51.2と、市場予想の52.0を下回った。前月の51.7にも届かず、2016年8月以来の分岐点割れに迫り、トランプ政権発足後の上昇を完全に相殺している。米中首脳会談で追加関税措置第4弾の発動が見送られる期待(8月1日にトランプ大統領が賦課する方針を表明)が高まり、米株相場が過去最高値を更新したものの、世界景気減速懸念が燻り製造業のセンチメントは小幅ながら低下した。

ISM製造業景況指数、マークイット製造業PMIと共に下振れ。

ism_m
(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、生産のほか新規輸出受注、雇用、在庫、受注残、仕入れ価格などが前月を下回った。詳細は、以下の通り。

・生産 50.8、少なくとも2016年8月以来の低水準<前月は54.1、6ヵ月平均は53.2
・新規受注 50.8>前月は50.0、6ヵ月平均は53.0
・雇用 51.7<前月は54.5、6ヵ月平均は53.7
・在庫 49.5<前月は49.1、6ヵ月平均は51.3

・新規輸出受注 48.1<前月は50.5、6ヵ月平均は50.6
・入荷遅延 53.3>前月は50.7、6ヵ月平均は53.3
・受注残 43.1<前月は47.4、6ヵ月平均は49.1
・仕入れ価格 45.1<前月は47.9、6ヵ月平均は50.0

ISMのティモシー・フィオーレ会長は、結果を受け「仕入れ価格が2ヵ月連続で分岐点を割り込んだが、これは需要に合わせた在庫しか保有しない製造業企業の姿勢や、全体的イな需要鈍化を表わすのではないか」と振り返った。トランプ大統領が追加関税第4弾の発動を表明する前だったため「製造業企業の間で、米中間の貿易摩擦をめぐる懸念は後退した」と言及している。その割に18業種別でビジネス拡大を報告したのは9業種と、前月の11業種から減少。今回は前月と同じく服飾・革製品、組立金属、一次金属、紙製品の4業種のほか非金属鉱物製品、その他製造業、輸送機器、電気機器、機械など5業種、合計9業種となった。

▽米7月ISM非製造業景況指数、米中貿易摩擦の影響現る

米7月ISM非製造業景況指数は53.7となり、市場予想の55.5を下回った。前月の55.1以下となり、2016年8月以来の低水準となる。米中貿易摩擦が打撃となって下振れする製造業景況指数に遂に歩調を合わせ、サービス業のセンチメントも低下した。

ism-s
(作成:My Big Apple NY)

ISMは、結果を受け「サービス業者は全般的に楽観的」と明かしつつ、「追加関税措置や雇用不足が懸念材料」との回答が聞かれたと報告した。業種別では、18業種中16業種が拡大を報告、農業・林業・漁業のみが縮小したといい、1業種は横ばいだったとみられる。

内訳をみると、ビジネス活動のほか新規受注、雇用などが前月を上回った半面、新規輸出受注や受注残、入荷時間が前月以下となった。仕入れ価格は前月と概して変わっていない。在庫詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 53.1<前月は58.2、6ヵ月平均は59.0
・新規受注 54.1<前月は55.8、6ヵ月平均は58.5
・雇用 58.1>前月は53.7、6ヵ月平均は56.2
・新規輸出受注 56.2>前月は55.0、6ヵ月平均は55.7
・在庫変化 50.0<前月は55.5、6ヵ月平均は51.9
・仕入れ価格 56.5<前月は58.7、6ヵ月平均は56.6

▽米7月IHSマークイット製造業PMI・確報値、2009年9月以来の低水準

米7月IHSマークイット製造業PMI確報値は50.4と、市場予想の50.1と速報値の50.0をわずかながら上回った。ただし、2009年9月以来で最低となる。サービス業PMI・確報値は53.0と、市場予想と速報値の52.2を上回った。2016年3月以来の低水準だった5月の50.9から、切り返しを続けた。総合PMI確報値は52.6と、前月の51.6を上回った。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「前月からの改善は歓迎すべきニュースだが、全体的に拡大ペースが鈍い点が気掛かり」と指摘。また「将来の見通しが急低下しており、7月の改善が一時的である可能性を残す」との見解を寄せた。その上で、足元で7月の成長率は2%割れとなる余地があると予想した。

(カバー写真:Dren Pozhegu/Flickr)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.