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12月15日を前に世界的に有名な「あの人」が来日、その真意とは?

by • December 10, 2019 • Latest News, NY TipsComments Off2607

Guess Who Comes To Omotesando.

ハイチ系アメリカ人の夫が日曜の夜、帰宅するなり私を見つけてこう叫びました。

「今日、誰に会ったと思う??当ててみて!!絶対分からないから!!」

非常にハイテンションな様子に眉をひそめつつ、ファッション・ウィークに足繫く通い日曜には被写体を求めて街を彷徨う彼なだけに、スーパーモデルかアーティストかと頭をめぐらせたのですが、職業柄つい「ビル・ゲイツ」と答えたのですよ。すると夫は眼を見開き「すごい直観力だね、世の中にこれだけ有名人が存在するのに、まさかそこまで近い人物を予想するなんて!!」と益々興奮するではありませんか。

それもそのはず、答えはアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)だったのです。ニュースなどでご確認できる通り、2016年10月以来の来日を果たしていましたよね。クック氏がアップルストア表参道店で84歳と13歳の女性のエンジニアと会うために訪れたところに、たまたま出くわした夫、ラッキーこの上なしです。

ただ、夫はクックCEOを遠くから見ていただけではありませんでした。何とクック氏、夫に近づき「Good to see you, man」と声を掛けただけでなく、親愛の情を示すように軽く拳を胸元に当ててきたというではありませんか!普段はMacに辛口な夫も、「Good to see you too」と返答するのがやっとだったもよう。時価総額でトップを争う企業のCEOから気さくに話し掛けられたら、さすがにそうなりますよね。

夫いわく、クック氏が彼を呼び止めた理由は「肌の黒いアメリカ人は僕だけだったから」。それがどうかは別として、クック氏がフレンドリーに対応できるよう、周囲をボディガードがガッチリ固めていたそうです。ポイントはそこではなく、彼らの服装。世界最高峰の企業のCEOにありながらジーンズにスウェットカーディガンという出で立ちに合わせ、周りに溶け込むようなカジュアルな装いだったのですよ。当然と言えば当然なのでしょうが、彼の予想が正しければ、こうした深謀遠慮はさすがです。

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(出所:My Big Apple NY)

しかし、なぜクック氏はいま来日したのでしょうか?個人的には12月15日の日取りと関係があるのではないかとにらんでいます。第4弾の対中追加関税発動回避が見込まれるとはいえ、その日までに米中間で何らかの妥結がなければ、スマートフォンなど消費財が対象品目となってしまいますよね。

現状、トランプ大統領は11月21日、アップル製iPhoneを対象品目から除外するか検討していると発言した程度で、その後、続報は聞かれず。今回の来日がアジア歴訪の一部で中国にも足を向けるのならば、対中追加関税発動を見越したものか、あるいは追加関税発動回避を見据えた対中戦略なのか。クック氏が単に年末商戦向けに極東を目指したとは到底考えられず、その真意を推察せずにはいられません。

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(作成:My Big Apple NY)

余談ながら、アップルは2018年1月に米国において5年間で米国内に300億ドル相当の投資を行う計画を発表するなど、「米国第一」を掲げるトランプ政権に歩み寄りをみせてきました。今年11月には、第4弾の追加関税措置を意識したのか、トランプ政権に近いロビイストを採用してましたっけ。3月の会談で、トランプ大統領はクック氏のことをティム・クックではなく「ティム・アップル」と呼んでいましたが、さすがにフルネームは覚えられたことでしょう。

(カバー写真:My Big Apple NY)

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