Thanksgiving Day And Black Friday Online Sales Hit Record During Pandemic.
新型コロナウイルス感染者数の増加を受け、午後10時から午前5時まで必要不可欠な業種以外の営業がカリフォルニア州など一部で禁止されるなか、今年の年末商戦はやはりネットが主戦場となりつつあります。
アドビ・アナリティクスによれば、感謝祭とブラックフライデーの売上高は以下の通り。
〇感謝祭
・26日のネット売上高は前年比21.5%増の51億ドル、同日としては過去最高を更新。
・カーブサイドピックアップ(ネットで商品を購入し店の前で車に乗ったまま商品を受け取るシステム)を展開する小売店の顧客転換率(ネット訪問者がそのサイトで商品を購入した比率)は、他店を31%上回った。
・スマートフォンを使用したネット売上高は、約50%。
〇ブラックフライデー
・27日のネット売上高は前年比21.6%増の90億ドル、同日としては過去最高を更新。全米での1日のネット売上高でも、2019年のサイバーマンデーに次ぎ史上2番目を記録。
・スマートフォンを使用したネット売上高は前年比25.3%増の36億ドル、ネット小売全体の40%を占める。
・ターゲット、ベストバイなどで提供するカーブサイドピックアップ利用は、前年比52%増
・売上が急増した商品は、スマートウォッチが10月の1日平均売上高と比べ606%増、スマートホーム関連が同592%増、パーソナルケア関連が556%増、食品関連が397%増、ペット関連が254%増、自動車部品関連が同269%増。
チャート:全米小売業協会(NRF)は年末商戦を3.6%~5.2%増の7,553億~7,667億ドルと予想。そのうちネット売上高見通しは20~30%増の2,025億~2,184億ドル。
--先日、筆者がテレビ東京のモーニング・サテライトにお邪魔した時にパーソナルケア関連を望むアメリカ人の増加を指摘させて頂きましたように、やはり売上は大幅増となっていました。その他、スマートウォッチやスマートホームなど健康に気を使った商品、さらに自宅を快適にする商品に人気が集まっていたことが分かります。さらに、外出自粛を受けて食品関連の売り上げが増加していた事実も、特筆すべきでしょう。ペット関連も、コロナ禍で需要が伸びたことと整合的です。
個別では、ブルームバーグによると百貨店メイシーズはソーシャルディスタンシングの都合もあって人影がまばらな状況だった一方で、ヨガ衣料メーカーのルルレモンとソニーのPS5の前には人々が列を成していたとか。ブラックフライデーの店舗の客足は前年比52.1%減でしたが、需要があるところには黒山の人だかりが出来上がっていたのですね。
チャート:アメリカ人が望むギフト、外出自粛モードで衣類やアクセサリー、宝飾品の人気が前年から低下した半面、パーソナルケアやリフォーム関連は上昇。
感謝祭とブラックフライデーの両日で過去最高を叩き出しただけに、サイバーマンデーへの期待が否が応でも膨らみます。アドビによれば、今年のサイバーマンデーは前年比15~35%増の108億~128億ドルが見込まれ、昨年の記録を塗り替える見通し。それだけではなく、昨年のサイバーマンデーを超えるとあれば、当然ながら1日のネット売上高としても史上最高の金字塔を立てること間違いなしです。
コロナ禍を受け、小売売上高のネット比率は6月末時点で16.1%と、前期の11.2%を超え過去最高を更新しました。全米小売業協会の予想を元に試算すると、年末商戦のネット比率は2019年の23%を超え30%近くに及んでもおかしくありません。
(カバー写真:Nenad Stojkovic/Flickr)
Comments
バイデン氏への祝辞、G7諸国で真っ先に送った首脳は? Next Post:
トランプ政権の閣僚メンバーを表した言葉は「3G」、ではバイデン新政権は?