CNBC Fed Survey : Eyeing On The First Hike In The Middle Of 2015 .
米連邦公開市場委員会(FOMC)直前恒例、CNBCがまとめたウォールストリート関係者を対象とした世論調査「Fedサーベイ」をお伝えします。40人を対象に前週23-24日に行った4月分の直前レポート、今回の内容を見ていきましょう。以下、⇒は筆者の補足説明になります。
1)4月に債券購入枠の追加削減を行う
・する→95%
・しない→5%
⇒平均の削減幅は110億ドルと、現行の100億ドルを小幅に上回りました。米国債は53.4%、MBSは46.62%とほぼ半額ずつとなる見通し。
2)FOMCごとに追加縮小するか否か
・する→85%(3月時点は81%、1月時点は72%)
・しない→15%(3月時点は20%、1月時点は28%)
⇒毎回縮小で、ほぼ織り込み済み。
3)FOMCごとの縮小幅見通し
・1回当たり平均116.2億ドルと、現状の100億ドルと3月時点の106.1億ドルを上回る水準
4)Fedはテーパリングを加速すべきか否か
・ペースを維持すべき→53%(3月時点は59%、1月時点は50%)
・加速すべき→37%(3月時点は27%、1月時点は29%)
・減速すべき→11%(3月時点は10%、1月時点は19%)
⇒米雇用統計、消費の改善に従い購入枠の縮小幅を拡大させるべきとの見方が増加。
5)実質GDPが3.1%、失業率が5.75%、PCEインフレが1.75%、コアPCEが1.85%の場合、適正とみるFF金利誘導目標
平均 1.02%
6)現状のFOMC声明文は
・ 内容が明白→62%(3月時点は60%)
・ 不透明性→36%(3月時点は30%)
・分からない→3%(3月時点は10%)
7)イエレンFRB議長への通信簿5段階評価、バーナンキ前FRB議長との比較
・指導力
イエレン 3.27 バーナンキ 3.95
・透明性
イエレン 3.60 バーナンキ 3.65
・対話力
イエレン 3.06 バーナンキ 3.38
・経済見通し
イエレン 3.27 バーナンキ 2.95
・金融政策全般
イエレン 3.08 バーナンキ 3.47
8)イエレンFRB議長への通信簿 A-F段階評価(バーナンキ前議長は2013年12月時点の回答)
A イエレン 10% バーナンキ 27%
B イエレン 51% バーナンキ 46%
C イエレン 23% バーナンキ 22%
D イエレン 3% バーナンキ 5%
F イエレン 3% バーナンキ 0%
イエレンFRB議長の平均→Bマイナス(2.71)
バーナンキ前FRB議長の平均→B(2.95)
9)Fedの金融政策舵取りのリスク
・1位 予想よりハト派寄りの政策運営
2014年 51% 2015年 49%
・2位 予想よりタカ派寄りの政策運営
2014年 21% 2015年 39%
・3位 リスクは均衡
2014年 28% 2015年 13%
⇒量的緩和策を2014年内に終了させた後は、第1段階の利上げに向けタカ派寄りへシフトすると予想していることが分かります。
10)FF金利の引き上げ時期
2015年7月(前回は2015年7-9月)
11)FF金利見通し
2014年6月末→0.17%(3月時点で0.13%、1月時点で0.16%)
2014年12月末→0.27%(3月時点で0.15%、1月時点で0.19%)
2015年12月末→0.99%(3月時点で0.83%、1月時点で0.72%)
⇒3月FOMCでイエレンFRB議長が量的緩和終了後の「6ヵ月後」に利上げを行う可能性を言及した余韻がくすぶり、金利見通しは全般的に上方修正
12)Fedは2015年、バランスシートを拡大/縮小/維持するか
・縮小させる 50%(3月時点は 39%)
・維持する 35%(3月時点は 50%)
・拡大させる 15%(3月時点は2%)
⇒9)の回答どおり、タカ派寄り政策運営への織り込み度強まっています。
13)平均のバランスシート増減額
・2014年→4160億ドル増(3月時点は 4080億ドル増)
・2015年→1460億ドル減(3月時点は 1040億ドル減)
14)米10年債利回り、S&P500の予想
2014年6月末の場合・・米10年債利回り は2.89%、S&P500は1883p
(3月時点では米10年債利回りが2.95%、S&P500は1866p)
(1月時点では米10年債利回りが3.08%、S&P500は1844p)
2014年12月末の場合・・米10年債利回りは3.21%、S&P500は1937p
(3月時点では米10年債利回りが3.32%、S&P500は1924p)
(1月時点では米10年債利回りが3.37%、S&P500は1913p)
2015年6月末の場合・・米10年債利回りは3.54%、S&P500は2017p
15)成長率予想、リセッションの確率
2014年成長率予想→2.7%(3月時点は2.8%、1月時点は2.8%)
2015年成長予想→3.0%(3月時点は3.0%。1月時点は2.9%
リセッションの予想→14.6%(3月時点は16.9%、1月時点は15.3%)
16)中国の成長鈍化、ウクライナ緊張化、経済的な影響は
大きな影響が及ぶ:中国→0% ウクライナ→3%
緩やかな影響が及ぶ:中国→64% ウクライナ→30%
ほとんど影響なし:中国→33% ウクライナ→68%
分からない:中国→3% ウクライナ→0%
17)もっとも関心のある分野は
・経済→50%
・株式→21%
・債券→11%
・通貨→0%
・その他→18%
以上、いかがでしたでしょうか?2015年半ば以降に利上げするとの見方が台頭しているせいか、2015年に入ってからはタカ派寄りの政策を打ち出すとの予想が増えていますね。バランスシートも、縮小させるとの回答が半数に達しています。反対に米10年債利回りは、タカ派度を織り込んでいるに関わらず全般的に下方修正が目立ちました。
ただバロンズ誌の「ビッグ・マネー調査」とは反対で、イエレンFRB議長への評価が高いというわけではないんですね。A-F段階評価では、バーナンキ前FRB議長より低い点数にとどまっていました。3月FOMCの「6ヵ月発言」があった半面、FOMC議事録がハト派寄りで市場を混乱させたことが敗因となったのでしょうか。
(カバー写真:ibtimes、文中写真:CNBC)
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