Apple Watch Debuts, Wait Times For Pre-Orders Could Extend To Early Summer.
”アップル・ウォッチ”が、新たな伝説を築き上げました。
太平洋時間の10日午前0時1分から予約受付を開始し、6時間以内で完売という快挙を成し遂げたのです。4月24日に発売開始のところ、349ドル(4万2800円)からと最も低価格で最初に売り切れた”スポーツ”の出荷予定は4−6週間先となってしまいました。最高級ラインで18Kがきらめく1万ドル(128万円)からの”エディション”の場合は、6月まで待たねばなりません。
日本円にして128万円の”エディション”、納期は6月以降に大きく後ろ倒しに。
(出所:Apple)
そもそも初期段階から生産を抑えていたとの報道もあり、品薄だった可能性を残します。とはいえ、さすが根強いファンを魅了し続けるアップルなだけに、他の追随を許さない華麗なパフォーマンスを演じました。一部で流れた「ロレックスのような高級時計と違って中古品として質に出すこともできないのに、1万ドルはあり得ない」との批判も、どこ吹く風です。
IT情報サイトのCnetが10日に実施した世論調査とは、全く正反対の売れ行き動向を示します。”アップル・ウォッチ”予約開始前にこちらでご紹介したように、依然として「買わない」との回答が優勢でした。
「アップル・ウォッチを買いますか?」との質問の回答は、NY時間午後12時40分の段階で以下の通り。
・買う 24%
・買わない 58%
・レビューあるいはソフトウェアのアップデートを待って、恐らく買う 16%
・その他 2%
電光石火の勢いで予約完売するなか、eベイでも早速登場する有様。”アップル・ウォッチ・スポーツ”は349ドルからのはずなのに、すでに70%近いプレミアムがついているとは驚きですよね。
なぜかお届け日が4月24日以前だったりしますが、転売ヤーが殺到した疑惑も?
(出所:eBay)
ちなみにアップル・ケアは”スポーツ”で49ドル(5800円)、ステンレス製の”ウォッチ”で69ドル(8200円)、”エディション”で1500ドル(18万4000円)でした。
大賑わいをよそに、レイモンド・ジェームスのアナリストであるテービス・マッコート氏は”アップル・ウォッチ”予約受付開始という記念日に、投資判断を”アウトパフォーム”から”マーケット・パフォーム”へ引き下げています。”アップル・ウォッチ”の評価はバッテリーの持ち時間が短いこともあって過熱感に乏しく、強気な市場予想を下回る可能性が高いと指摘していました。
パイパー・ジャフレイのアナリスト、ジーン・マンスタ—氏は「10分から30分間での完売」を予想していたものです。在庫不足が主因で、出荷日も「発売開始日の4月24日から6月から7月へ後ろ倒しされてもおかしくはない」と見込んでいます。
いずれにしても、アップルの株価はさえません。売り先行で開始した1.0%安の125.26ドルまで下落した後は前日比ほぼ横ばいを経て、0.4%高で引け。”アップル・ウォッチ”のデビューは、少なくとも株価急伸の起爆剤とはなりませんでした。
余談ですがデザインや機能で不評を買っていた”Retina MacBook”は、10日に発売開始のところ店頭では在庫を持たずオンライン受付のみとなっていました。”アップル・ウォッチ”の予約受付開始と同じ日にあたり、販売プロモーションに注力されなかった事情を反映しているのかもしれません。
(カバー写真:Apple)
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