May Core CPI Slows While The Headline Hits The Highest Since 2013.
米5月消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し、市場予想の0.5%に届かなかった。とはいえ前月の0.1%に続き、4ヵ月連続で上昇。2013年2月以来の伸びを示した。原油反発を背景にエネルギーが4.3%の上昇を迎え、3ヵ月ぶりに低下した前月の1.3%の低下を相殺しヘッドラインを押し上げている。特にガソリン価格が10.2%と急伸。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は1月26日時点で2.173ドルと2009年4月以来の水準まで下落した後、5月は一時2.774ドルまで上振れしていた。一方で、食品・飲料は2ヵ月連続で横ばい。ドル高が対ユーロを中心に一服しつつあるものの、反発余力の乏しさを確認した。
CPIコアは前月比0.1%の上昇となり、市場予想の0.2%を下回った。2013年1月以来の高水準を示した前月の0.3%から、鈍化している。シェアの大きい帰属家賃は前月に続き、0.3%。家賃も0.3%と、9ヵ月連続で上昇した。サービスは0.2%上昇しつつ、前月の0.3%以下に。航空運賃は過去6ヵ月間で5回マイナスに落ち込んだ後、5.7%と大きく上昇した。医療費は0.2%、娯楽も0.1%とそれぞれと3ヵ月連続で上昇している。ただし教育は0.1%低下し、過去4ヵ月間で3回目のマイナスに転じた。住宅は±0%となり、上昇トレンドに終止符を打った。新車や中古車も、それぞれ0.1%と0.4%の低下に反転。服飾も0.5%低下し、2ヵ月連続で下押しした。
CPIの前年比では±0%となり、2009年4月以来で最大の落ち込みを記録した前月の0.2%の低下からマイナス圏を脱した。CPIコアの前年比は1.7%の上昇に。2014年10月以来の高水準した3−4月の1.8%以下にとどまった。
コアCPIは(赤)、年初からの上昇ペースが一服。
(出所:BLS)
JPモルガンのジーナ・ブシュラ・サジード米エコノミストは、CPIの結果を受け「コアPCEは5月に前月比0.1%の上昇と4月から0.1%ポイントの低下が見込まれる半面、前年比は1.2%を維持する」と予想した。インフレの芽吹きは、依然として確認できない見通しとなる。
——米5月生産者物価指数や米5月輸入物価指数が上振れした割に、コアCPIは抑制的なトーンを維持しています。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文のインフレをめぐる文言で、エネルギー関連しか修正されなかったはずですね。小売業者の価格決定力が改善していない可能性を示しています。
(カバー写真:Riza Nugraha/Flickr)
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