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米4月ISM非製造業景況指数、改善しつつ勢いに乏しい

by • May 6, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2580

ISM Service Sector Sentiment Improves, Employment Recovers.

米ISM非製造業景況指数やマークイットが発表した景況感指数をおさらいしていきます。

米4月ISM非製造業景況指数は55.7と、市場予想の54.8を上回った。前月の54.5も超え、2014年2月以来の低水準を示した2月の53.4から改善をたどる。ISM製造業景況指数がかろうじて分岐点を維持するなか、サービス活動は緩やかな上向きに転じている。

内訳をみると、新規受注、雇用、仕入れ価格などが上向いた。特に仕入れ価格は、4ヵ月ぶりに分岐点を回復している。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 58.8<前月は59.8と5ヵ月ぶりの高水準、6ヵ月平均は58.2
・新規受注 59.9、6ヵ月ぶり高水準>前月は55.5と直近で最低、6ヵ月平均は57.6
・雇用 53.0、4ヵ月ぶり高水準>前月は50.3と分岐点を回復、6ヵ月平均は52.9

・新規輸出受注 56.5<前月は58.5と直近で最高、6ヵ月平均は52.8
・在庫変化 54.0、5ヵ月ぶりの高水準>前月は52.5、6ヵ月平均は53.0
・仕入れ価格 53.4、4ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月は49.1、6ヵ月平均は49.2

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「予想以上だっただけでなく、雇用も上昇しており米4月ADP全国雇用者数がサービス業の雇用を十分に反映していなかった可能性がある」と分析した。その上で、「米4-6月期成長率が2%台を回復するとの予想を維持する」とコメント。米4月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の予想を「25.0万人増」とし、ブルームバーグの予想平均である20.0万人増より強い数字を見込む。

▽米4月マークイット製造業PMI確報値、改善たどるもペース鈍い

米4月マークイット・サービス業PMI確報値は52.8となり、市場予想及び速報値の52.1を上回った。前月の51.3も超え、債務上限引き上げ及び暫定予算交渉の行き詰まりで政府機関の閉鎖を余儀なくされて以来の分岐点割れを迎えた2月の49.7から改善をたどる。総合PMIは52.4で、速報値の51.7から上方修正された。2013年10月以来の50割れを回避し続けている。

クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「2月の分岐点割れから改善を続けているが、反発の力は鈍い」と慎重な見方を寄せる。米4-6月期の成長率に対しても「1-3月期の0.5%増から1.0%増に戻す程度の水準」と指摘。米4月雇用統計に対しても「NFPは1-3月期平均の20万人増から、16万人増へ鈍化する」と予想した。

ISMとマークイット、2ヵ月連続で上昇しつつ元のレンジから下方向へかい離を継続。

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(作成:My Big Apple NY)

――米4月ISM非製造業景況指数と米4月マークイット・サービス業PMIはそろって前月を上回りつつ、活力には乏しい。米新規失業保険申請件数では労働市場が健全な様子が現れていますが、相関性が高まってきた米4月ADP全国雇用者数が鈍化いているだけに楽観は禁物です。

(カバー写真:Tomas/Flickr)

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