Housing Starts Fall To 1-1/2 Low, Housing Permits Continue To Rise.
米9月住宅着工件数、MBA住宅ローン申請件数指数をおさらいしていきます。
米9月住宅着工件数は年率104.7万件と、市場予想の117.5件に遠く及ばなかった。前月の115.0万件(114.2万件から上方修正)を9.0%下回り、2ヵ月連続で減少した結果、2015年3月以来の水準へ鈍化。前年比で11.9%減と、3ヵ月ぶりに減少に転じた。
内訳をみると、一戸建てが前月比8.1%増の78.3万件となり過去6ヵ月間で4回目のプラスを示す。複合住宅は38.0%減の26.4万件と2ヵ月連続で減少した。一戸建ての前年比は1.2%減と、直近で久々に減少に反転。複合住宅は4.7%増と、前月の14.7%増から伸びを縮小した。
4大地域別では、増加した地域はゼロだった。前月の2地域で増加していた。今回はIT産業が集まる西部が±0%の28.2万件と、過去2ヵ月連続の減少に歯止めを掛けた。一方で複合住宅が集中する北東部が36.0%減の8.7万件と、4ヵ月ぶりに減少し大きく落ち込んだ。中西部も14.1%減の14.6万件と、過去5ヵ月間で4回目の減少に。最大の住宅市場であり石油生産州が集まる南部は5.3%減の53.2万件と、2ヵ月連続でマイナスに沈んだ。
米9月建設許可件数は122.5万件となり、市場予想の116.5万件を大幅に超えた。前月の115.2万件(113.9万件から上方修正)から6.3%増え、件数自体が住宅着工件数を上回ったのは、4ヵ月ぶり。内訳をみると、一戸建てが0.4%増の73.9万件と5ヵ月ぶりの高水準だった。複合住宅は16.8%増の48.6万件と増加トレンドへ戻した。建設許可件数の前年比は8.5%増と、前月の2.3%減(速報値)から反転した。
米9月建設中件数は前月比0.1%減の103.8万件となった。小幅ながら、8ヵ月ぶりに減少し、件数ベースで2008年1月以来の高水準から減少している。一戸建てが0.9%増の43.3万件と増加に転じたものの、複合住宅が0.8%減の60.5万件と8ヵ月ぶりに減少した。
住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。
▽MBA住宅ローン申請件数指数、新規が反発も金利上昇で借換弱い
全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、10月14日週に前週比0.6%上昇し512.9だった。前週の6.0%の低下から小幅に改善し、過去5週間で2回目のプラスを示す。借換が0.8%低下2172.5と2週連続で低下したものの、新規が3.0%上昇の223.1と3週ぶりに上昇に転じた。MBA住宅ローン申請件数指数の前年比は18.5%の上昇に。期間中は前週に続き年内利上げ観測やロンドン銀行間取引金利(LIBOR)につれた米金利上昇が上昇したため、借換は2週連続で低下し全体の伸びを抑えた。
30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は、前週の3.68%から3.73%へ上昇した。1年前の3.95%以下にとどまる。15年固定金利型(平均)は前週の2.97%から3.03%へ上昇。FHAのローン金利は、前週の3.54%で変わらなかった。
MBA住宅ローン申請件数指数、金利が低下し借換に寄与。
(作成:My Big Apple NY)
申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は61.5%と、前週の62.4%から低下した。ただ、2009年6月以来の低水準を示した2015年7月3日週の48.0%から切り返した水準を維持。2013年5月以来の高水準となった2015年1月16日週の73.9%からは、大きく遠ざかったままだ。
――住宅着工件数の一戸建てのうち75%が販売向けであるとされ、58.7万件が市場に流入する見通しです。米8月新築住宅販売件数を踏まえれば、在庫ひっ迫の環境は変わらず。足元で住宅の値上がりこそ一服していますが、価格高止まり継続を示唆し居住用の住宅を購入する意欲を削ぎかねません。救いは建設許可件数の増加ですが、タイムラグが生じる上に足元で着工件数を下回っていた実績を踏まえれば、在庫ひっ迫を劇的に改善させられそうにありません。MBA住宅ローン申請件数指数は、金利に反応しつつ一段の上昇を意識したのか新規が支え持ち直しました。年内の利上げが意識されるなか、駆け込み需要の勢いが試されます。
(カバー写真:Mary Molinaro/Flickr)
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