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米1月CPI、エネルギーが大幅低下し前月比3ヵ月連続で横ばい

by • February 14, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1731

Energy Prices Push CPI To Sidelines In January.

米1月消費者物価指数(CPI)は前月比横ばいとなり、市場予想の0.1%の上昇に届かなかった。これで、3ヵ月連続で横ばいとなる。原油先物が2018年10月初めの75ドル乗せから約40%超も急落した後に下げ渋ったが、ラグを伴うため下流部門で値下がりが続き、エネルギーは3.1%低下し全体を押し下げた。併せてガソリンは5.5%低下し、エネルギー全体と共に3ヵ月連続でマイナスとなる。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン価格は一時2.237ドルと2016年12月以来の水準へ下落した。さらに、エネルギーでは電力など公益が0.5%低下、豪雪などに見舞われたが過去2ヵ月間で大きく上昇した反動から、3ヵ月ぶりに低下した。エネルギー以外では食品・飲料が0.2%上昇、3ヵ月連続でプラスだった。

CPIコアは市場予想と一致し、5ヵ月連続で前月比0.2%上昇した。項目別では、帰属家賃が前月の0.2%から0.3%へ上向いた。家賃は0.3%の上昇と前月の0.2%を上回った。ホテルなど宿泊も0.5%と2ヵ月連続で上昇。た。もっとも、光熱費などが下がったため住宅全般では2018年10~12月に続き0.3%の上昇から、0.2%へ鈍化した。住宅関連以外では服飾が1.1%上昇、前月の横ばいから反発し、2018年2月以来の力強さをみせた。教育も0.2%上昇、2ヵ月連続でプラスとなる。娯楽は0.3%上昇、前月に0.5%を超える力強い伸びを遂げたが、3ヵ月連続で上昇した。医療費は0.2%上昇、5ヵ月連続でプラスとなる。教育は0.2%と2ヵ月連続で上昇、パソコンが0.5%低下したものの堅調だった。

一方で、輸送は1.3%低下し、前月の1.5%の低下と合わせ3ヵ月連続でマイナスだった。中古車は0.2%上昇、過去4ヵ月間で3回目の上昇となる。新車は0.2%上昇、6ヵ月ぶりにプラスに転じた。航空運賃は政府機関の閉鎖を受け担当職員の不足を受け、発着便や持ち物検査に影響が及ぶなかで前月の1.3%の低下に続き0.9%低下した。

CPIは前年比で1.6%上昇し市場予想の1.5%を超えたが、前月の1.9%から遠ざかり2017年6月以来の低水準となる。2018年7月に2.9%と2012年2月以来の高い伸びを遂げたが、エネルギー価格の押し下げを背景に鈍化が続く。コアCPIは3ヵ月連続で2.2%上昇、市場予想の2.1%を上回った。ただし、リーマン・ショック直後の水準へ加速した2018年7月の2.4%以下を続けた。

CPIとコア、物価上昇加速のサインを示さず。

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(作成:My Big Apple NY)

――1月公表のベージュブックでは、追加関税措置に伴い素材や配送の価格上昇が報告され、最終価格への転嫁する動きが一部みられたと指摘されていました。とはいえ、エネルギー以外で堅調な数字だったとはいえ上昇ペースに加速はみられず。米1月雇用統計まで平均時給は6ヵ月連続で3%乗せだった割に、CPIコアを軸に安定的です。

CPIコアの動きと連動するように、NY連銀の調査によるインフレ期待は若干上げ渋っていました。

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(作成:My Big Apple NY)

米連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げに「辛抱強くなる」姿勢を強調していますが、少なくともそのような政策が暫くは許容される環境にあるようです。

(カバー写真:Kalle/Flickr)

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