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米5月小売売上高、前月が上方修正され明るさ取り戻す

by • June 14, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off2797

April Didn’t Shower And May Somewhat Flowered.

米5月小売売上高は前月比0.5%増と、市場予想の0.6%増を下回った。とはいえ、前月が0.3%増と0.2%減から大幅に上方修正されたため、個人消費に明るさを取り戻す内容となっている。自動車を除いた場合も0.5%増と、市場予想の0.3%増を超えた。前月と同率の伸び(0.1%増から上方修正)を果たし、3ヵ月連続で増加している。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は前月比0.5%増と、市場予想の0.4%増を上回った。前月の0.4%増(修正値)からも改善し、こちらも全体と自動車を除いた場合と合わせ3カ月連続で増加した。

小売売上高、政府機関の閉鎖が影響した2月を除き4回増加。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中で11項目がプラスとなり前月の8項目から増加した。特にオンラインを表す無店舗が好調だったほか、電気製品、スポーツ用品など最良消費財が支えている。他に米5月新車販売台数が年率で1,700万台を回復した通り自動車・部品、一般小売、外食なども増加した。今回、主要項目で減少は雑貨のみで、服飾は横ばいとなっている。そのほか、小項目で食料品店、百貨店が減少した。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・無店舗(オンライン含む)→1.4%増、4カ月ぶりの高水準>前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.8%増
・電気製品→1.1%増>前月は1.3%増、6ヵ月平均は0.2%減
・スポーツ用品/書籍/趣味→1.1%増、4カ月ぶりの高水準>前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.4

・自動車/部品→0.7%増>前月は0.8%減、6ヵ月平均は0.2%増
・一般小売→0.7%増<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.2%増
(*百貨店は0.7%減<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.5%減)
・外食→0.7%増>前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.2%増

・ヘルスケア→0.6%増>前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.3%増
・ガソリンスタンド→0.3%増<前月は2.1%増、6ヵ月平均は0.3%増
・食品/飲料→0.3%増>前月は0.3%減、6ヵ月平均は0.1%増

・建築材/園芸→0.1%増>前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.1%減
・家具→0.1%増<前月は0.6%増、6ヵ月平均は0.3%増

・服飾→横ばい>前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.3%減

(マイナス項目)

・雑貨→1.3%減<前月は1.7%増、6ヵ月平均は0.8%減

――米5月小売売上高が好調だった背景として、米5月雇用統計が示すように堅調な労働市場と10カ月連続で前年比3%超えの平均時給に加え、ガソリン価格を含めた低インフレ環境が挙げられます。米5月消費者物価指数で確認した通り、追加関税措置が発動するなかでもインフレ圧力は限定的。もしかすると、対中追加関税措置が発動される前の駆け込み需要が消費を押し上げかもしれませんが、米5月消費者信頼感指数の現況指数が約18年ぶりの高水準だったように、消費者は堅調な経済拡大を謳歌しているもよう。米株の回復も、消費への安心感をもたらした可能性を残します。

(カバー写真:zoetnet/Flickr)

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