Job Cuts Hit Highest First-Half Total Since 2009, But Hires Also Grow.
米6月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比12.8%増の41,977人だった。前月比では28.3%減となる。4~6月期は前年同期比34.1%増の140,577人と2015年以来の高水準となり、年初来では同35.0%増の330,987人と2009年以来で最大を記録した。
発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのヴァイス・プレジデント、アンドリュー・チャレンジャー氏は、結果を受け6月は従来、会計年度の年央にあたり採用・人員削減ともに企業は様子見姿勢となりやすいとしつつ、「人員削減予定数は増加傾向にある」と振り返った。特に小売で顕著であるほか、資本財や自動車などの業種で増加中と指摘。背景として「競争激化や追加関税措置、消費者の嗜好の変化、求める技能のシフト」などを挙げた。なお6月は、フォードが米国で500人、欧州で12,000人の人員削減を発表したほか、IBMが1,000人超の人員削減を発表した。
(作成:My Big Apple NY)
人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。チャレンジャー・グレイ・クリスマスの指摘通り、通信が全体を押し上げた。前月は1位がテクノロジー、2位が通信、3位が食品、4位が資本財、5位が教育だった。
1位 自動車 10,904人(全体の26.0%)
2位 電子機器 8,149人(全体の19.4%)
3位 健康 4,766人(全体の11.4%)
4位 テクノロジー 3,209人(全体の7.6%)
5位 資本財 3,099人(全体の7.4%)
州別動向は、年初来で以下の通り。前月は1位がカリフォルニア州、2位がニューヨーク州、3位がマサチューセッツ州、4位がテキサス州、5位がイリノイ州だった。自動車関連の人員削減がミシガン州を押し上げたとみられる。
1位 カリフォルニア州 45,711人(全体の13.8%)
2位 ニューヨーク州 35,973人(全体の10.9%)
3位 マサチューセッツ州 33,041人(全体の10.0%)
4位 ミシガン州 22,750人(全体の6.9%)
5位 テキサス州 22,480人(全体の6.8%)
リストラ実施の理由、年初来のランキングは以下の通り。前月は1位が再編、2位が閉鎖、3位が理由不明確、4位がコスト削減、5位が契約切れとなった。
1位 再編 86,165人(全体の16.0%)
2位 閉鎖 62,768人(全体の19.0%)
3位 破産 41,210人(全体の12.5%)
4位 理由不明確 38,276人(全体の11.7%)
5位 契約切れ 32,480人(全体の4.6%)
採用予定数は、前年同月比11.5%減の11,946人だった。前月比では37.9%増となる。年初来では約2倍の464,598人だった。セクター別では、以下の通り。前月は1位がテクノロジー、2位が輸送、3位がヘルスケア、4位が製薬、5位が通信だった。
1位 テクノロジー 3,860人(全体の32.3%)
2位 フィンテク 1,400人(全体の11.7%)
3位 航空 1,326人(全体の11.1%)
4位 自動車 1,052人(全体の8.8%)
5位 金融 1,020人(全体の6.9%)
――人員削減予定数が増加する陰で、技術革新や消費者の嗜好変化などを受けた人材不足を補填するため、採用予定数も増加しています。米6月雇用統計でも、企業の採用意欲の高さを確認しました。追加関税措置などの影響を受けながら、企業は競争力確保を狙い縮小する方向にはないようです。
(カバー写真:Fort George G. Meade Public Affairs Office/Flickr)
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