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ファッション・ウィーク前哨戦、盛況に幕切れ(前回のファッション・ウィーク)

by • September 19, 2010 • Out & AboutComments (0)382

私のお仕事アーカイブ

※仕事向け原稿を時間差で更新したものです。通常の書き込みとは全く異なりますので、あしからず。この原稿は、前回ファッション・ウィーク開催に合わせて書いたものです。

~リーマン・ショック後、立ち直るNY服飾需要の実体~

ファッション・リアリティ・ショー「プロジェクト・ランウェイ」新シーズンの告知バスが北風を吹きつけるストリートを颯爽を走っていく。満面の笑みの番組ホスト、ハイディ・クルムを見て思い出すのが、同番組がタイアップするニューヨーク・ファッション・ウィークだ。約15年にわたりブライアント・パークが舞台となっていたが、今回のシーズンを最後にフットボール・サイズの面積が手狭になり、向こう5年間はリンカーン・センターへ移る。リーマン・ショックに見舞われながら、NYのファッション業界は再び甦りつつあると言えよう。

服飾は売上回復の兆し、ブライアント・パークは有終の美を飾るか

世界中に寒波が走る一方で、景気回復の芽は着実に伸びつつある。米国でも、これまで不振が続いていたアパレル関連に改善の兆しが見え始めている。米12月既存店売上高は前年同月比+2.8%となり、前月の同-0.2%(同-0.3%から上方修正)からプラス転換。2008年4月以来の高水準を達成している。発表元の国際ショッピングセンター協会(ICSC)のマイケル・ニエムラ主席エコノミストは、「ホリデーシーズンは順調に終了した。労働市場の悪化にブレーキが掛かりつつあるなか、小売売上高の改善は景気回復を反映したように見える」と楽観的な見解を表明。12月に予想以上に高い売上高を計上した結果、百貨店メイシーズ、高級百貨店ノードストローム、服飾大手エアロポスタルは売上見通しを引き上げた。またニエムラ氏自身も、2010年の小売売上高見通しを3.0-3.5%とし、2006年に4.8%を示現して以来の高水準となることを予想している。

服飾や百貨店に回復の息吹を確認したことは、NY市やNYファッション業界には願ってもない朗報だろう。2月11日からは、NYファッション・ウィークが開催されるためだ。今年もセレブリティなどをはじめとしたファッション・フリークから世界各地のバイヤーまで、NY発の前衛的ファッションを見届けようとマンハッタンへ集結する。しかも今年はリーマン・ショック後の服飾業界を占う上で重要な試金石となる上、ブライアント・パークでの開催が最後を飾るとあって約15年の締めくくりに多くの人々が訪れるのは必至と言えよう。

↓約15年間のご奉公の後、ブライアント・パークからアデューです。

My Big Apple

会場費に150万ドルも、イベント開催で5億ドルの消費を喚起

ファッション・ウィークは今後、リンカーン・センターへ舞台を移す。リーマン・ショックの余韻が残る2009年2月にマイケル・ブルームバーグ市長が明らかにした。ブライアント・パークが7万平方フィートと、ほぼフットボール場の面積に相当する一方、リンカーン・センターにあるダムロッシュ・パークは25%大きい8.7万平方フィートで契約は5年間。不況の真っ只中にありながら、主催者のIMGファッションや共催のメルセデス・ベンツもイベントの拡大を信じて疑わなかった証左と言える。

NY市を挙げて年2回実施される恒例の同イベントには膨大なコストがかかる。ファッション業界で15年にわたって生き残ってきたアンジェリカ・キャラハン氏によると、「主催者側がブライアント・パークの賃借料として支払う費用は1週間で150万ドル」という。参加するデザイナーはというと、「ショーのためには大抵15万ドルの出費を覚悟しなければならない」そうだ。テントのサイズによって価格は賃借料が2万から5万ドル相当かかる上、ランウェイの華、モデル達には一人につき2500ドルのギャラが発生するためだ。しかもモデルは20人以上雇わなければならない。それでも春・秋のコレクションを成功させるため主催者側は大枚をはたいてイベントを支え、デザイナー達はランウェイを飾り立てる。一方でコストがかかるだけに、相応の金の卵をもたらす。ファッション・ウィークでは「春と秋、年に2回の開催で5億ドル相当の消費をもたらす」というから、驚きだ。

前哨戦イベント、ファッショニスタの節約知らずを確認

ファッション・ウィークの前哨戦として、年末に34丁目で開催された「ショップNY」という関係者オンリーのイベントは、盛況に幕を閉じた。まず、演出からして圧倒的。百貨店メイシーズなど服飾関連ブランドが集まるショッピング・ストリートに立つビルのエレベーターに乗り込み、目の前の扉が開かれるやいなや、ポーズを決めた生身のモデルの姿が目に飛び込んできた。それぞれ2-3人が1組になって台に立つ姿は、それぞれのブランドのデザインによってクラシック彫刻やアバンギャルド・アートのように映り、その間を通る人々の溜息をさそっていた。

このイベントに出展したブランド「Delirious」のデザイナー、イーラ・パボイキーナ氏は筆者の友人の一人。彼女はブースに訪れる多くの顧客をさばきながら、今回のイベントの収穫について「前年の景気後退局面からポジティブな購買意欲が戻ってきたようだ」と感想を述べた。ほとんどの商品が50%オフなど大安売りだった点が顧客を惹きつけた一因だ。しかし他の小売店もセール期間を前倒ししていたことを踏まえると、ベラルーシ出身の2人のデザイナーが織り成すメトロポリタンかつフェミニンな「Delirious」をはじめとしたデザインによって、来場者は買い物魂に火を点けられたのだろう。NYのファッショニスタ達にとって、モードは節約項目に含まれていないことを確認できた。

↓セレブをはじめ、ファッショニスタの買い物熱は継続?

My Big Apple

(カバー写真:Getty Images)

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