Its the Economy Fighting Words

共和党・民主党の党大会後、雇用統計がボロボロでもオバマがリード

by • September 8, 2012 • Latest NewsComments (0)1271

Obama Leads Romney In The Polls After The Conventions.

共和党大会、民主党の党大会が終了しました。

ロムニー共和党候補は

「オバマ米大統領の約束は失望と分裂をもたらした(his promises gave way to disappointment and division)」

「世界の歴史上、最も裕福な国であるアメリカで、オバマは中流階層を破壊した。世帯所得は4000ドル減少したにも関わらず、医療保険コストから食費から何から何まで値上がりしている(In the richest country in the history of the world, this Obama economy has crushed the middle class. Family income has fallen by $4,000, but health insurance premiums are higher, food prices are higher…)」

など、現職の大統領の攻撃が目立ちました。

対してオバマ米大統領は

「アメリカ国民の皆さん、回復という道のりが容易なものになると言ったことはないし今もそんな確約はしない。そう、目の前に広がる道筋はより困難だが、より良い場所へたどりつくだろう。そう、道は長いけれども力を合わせて進んでいくんだ。我々は振り返らない。誰も見捨てない。(America, I never said this journey would be easy, and I won’t promise that now… Yes, our path is harder, but it leads to a better place..Yes, our road is longer, but we travel it together. We don’t turn back. We leave no one behind.)」

と、上手なレトリックを駆使しつつ守勢に回りましたね。

ロイターが8日に報じた「仮に明日が選挙当日ならどちらに投票するか」、ロイター/IPSOSの世論調査の結果をみると・・。

オバマ米大統領→47%

ロムニー候補→43%

民主党の党大会後なだけに、オバマ米大統領が4ポイントのリードです。米8月雇用統計・非農業部門就労者数がブルームバーグ予想値の13.0万人を大きく下回る9.6万人増だったことを踏まえると、大健闘ですね。

共和党の党大会後、同じくロイターが8月30日に報じたロイター/IPSOSの結果は、

ロムニー候補→44%

オバマ米大統領→42%

ご覧のように、党大会のご祝儀でロムニー候補が上昇していたことが分かります。

ロイター/IPSOS調査で分かるのは、支持率だけではありません。好感度もはっきり現れます。

例えば

「どちらが雄弁か」
オバマ→50%、ロムニー→25%

「大統領の職務に務めるのにどちらが優秀か」
オバマ→46%、ロムニー→37%

その他「アメリカを代表するにどちらがふさわしいか」、「どちらの価値観が正しいか」でもオバマが圧倒してたんですって。ロムニーが唯一、オバマに勝った項目は「どちらが信心深いか」でした。モルモン教徒のロムニーさんですから、当然ですね。そういえば週末のスピーチでも「I will not take God out of our platform(私は政策綱領の土台に神を排除しない)」と宣言してましたし。

7日に発表されたギャラップによる調査でのオバマ米大統領の支持率も、前回9月4日分の47%から52%へ上昇。不支持率も前回の47%から42%へ改善してました。

IPSOSの調査担当のジュリア・クラーク氏は、「今後は党大会を予定せず、オバマのリードは維持されるだろう」と予想していました。彼女の予想が的中するのでしょうか。ロムニー候補の演説後に「事実確認チェック」記事が出回ったのも、ロムニー側には痛手だったかもしれません。くだんの演説でロムニー候補は「世帯収入はオバマ米大統領の間に4000ドル減少した」と批判しました。しかしファクトチェック・オーガニゼーションによると、「ロムニー候補が指摘したように世帯収入は4000ドル下がったが、調査そのものは景気後退が始まった2007年12月時点からで、オバマ米大統領が(正式に就任した2009年1月から)13ヵ月も前にさかのぼる」そうですし・・。

今回の党大会で、対照的だったあることも、世論調査に影響を及ぼしているのかもしれません。

神戸生まれのインド人の友人ですら、フェイスブックで「AMAZING speech by Bill Clinton at the 2012 DNC!!!
Charismatic, To-The-Point, and connects with the crowd. One of the best speaker & communicator of our time! R-E-S-P-E-C-T!!!」の大絶賛。

友人が書き込みをするほど感銘を受けたスピーチには、

「困難なときをむかえるなかでは、絶え間ない論争は政治にとって有用だろう。ただ現実の世界では、協力こそ上手く機能する(When times are tough, constant conflict may be good politics but in the real world, cooperation works better)」
なんて名文句が差し込まれてました。誰の名文句かというと・・・。

今でも絶大な人気を誇るクリントン元大統領です!

ギャラップの調査でも、民主党大会で最も好感度が高かったのも、ぶっちぎりでクリントンさん。

以下、ギャラップの好感度調査

クリントン前大統領→69%

ミシェル夫人→65%

オバマ米大統領→53%

バイデン米副大統領→44%

オバマさんの支持率回復に貢献したこと間違いなしのクリントンさんに対し、過去20年間のうち12年間、政権を握ったあのファミリー、そうブッシュ一族はほとんど蚊帳の外。話題にもなっていません。それもそのはず、ビデオ映像で登場しただけでしたから・・・。
ロムニー候補のランニングメイトであるライアン米下院議長は、財政健全化の旗振り役。その彼が財政赤字を攻撃しなかったのは、オバマ米大統領の時代にリーマン・ショックが発生していないからかもしれません。共和党としても、パパ・ブッシュの一般教書演説が最短35分台、2人合わせても1回につき1時間を超えたためしがないことで分かるように人を魅了させるスピーチ力のないブッシュ勢には、マイクを渡したくなかったのですかね。

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