成層圏からのスペースジャンプは、音速の壁を突破!!

by • October 14, 2012 • Latest NewsComments (0)9978

Red Bull Does Not Only Give You Wings.. It Also Lets A Man Jump From Space!

プロメテウスやバベルの塔など人類への戒めとなる神話には事欠きませんが・・・。

それでも、人間は挑戦をやめません。

レッドブルといえば、「Red bull gives you wings(レッドブル、翼を授ける)」というキャッチコピーが広く知られていますね。でも、レッドブルは翼を与えるだけではないんです。1988年からエキシビジョンでスカイダイビングでファンを魅了し続けるオーストリア人に、今回なんと巨大バルーンとカプセルを与えて、成層圏から世紀の宇宙ダイビングを敢行させたんです!!

スペースジャンプに挑戦するオーストリア人は、フィリックス・ボームガートナー氏43歳。

16歳からスカイダイビングを始めたという生粋のエクストリーム・チャレンジャーで、オーストリア軍に入隊してからスカイダイビングの経験と技術に磨きをかけたといいます。1988年からはレッドブルとタッグを組んでからは世界記録に挑み続け、1997年からはブラジルはコルコドーバに建つキリスト像をはじめ超高層ビル、橋などあらゆるランドマークからのフリーフォールで記録を築き上げてきました。

そのフィリックス、スカイダイビングやベースジャンプに飽き足らず・・・今度は地球外からのダイビングならぬスペースジャンプに照準を定めました。5年間の訓練を経て巨大バルーンで打ち上げたカプセルから成層圏へ飛び出してジャンプ・・・想像しただけでドキドキしちゃいます!!考えてくださいよ、エンパイアステート・ビルディングが443m、東京スカイツリーが634m、エベレストで8848mですよ!!??

今回の挑戦には、3つの前人未踏記録の樹立がかかっていました。

1)世界最高の高度からのジャンプ
これまでの世界最高記録は、米空軍のジョー・キッティンガー大尉が「プロジェクト・エクセルシオ」で成し遂げた32190mでした。

2)落下スピード、音速との壁
音速とされる1225km/時間の壁を超えれば、人類初めての偉業となります。マッハ1に相当するんですね。キッティンガー大尉は988km/時間でした。

 3)落下時間
落下時間はこれまたキッティンガー大尉がもつ4分36秒。

そもそも、成層圏に接近する手段が巨大なヘリウム風船っていうのがファンタジーっぽくて夢があります!!アメリカ人の家族がiphone 4をつなげて風船を飛ばし、大気圏30480 mから落下させるという実験を試みたんですよね。ユーチューブで視聴したときには、こんなことが出来るのかと感心したものです。まさか、巨大バルーンが人間を載せたカプセルを積んで地球を飛び出すなんて、考えもしませんでした。

iphoneが実験した家族の手元に落下したというのも、ミラクル。

 

スペースジャンプでカプセルを宇宙に送るために用意された巨大バルーン、どれだけ大きいか気になるでしょ?何と・・・自由の女神サイズ!!!台座を入れて93メートルに及ぶんですって。これをヘリウムで完璧に膨らませるには、3時間かかるそうです。

自由の女神も真っ青な巨大っぷりです。

この風船で前人未到の領域に挑んだボームガートナー氏。ジャンプ直前には、酸素補給があと10分近くに迫っていました。

どんな気持ちでドアを開けたのでしょうか・・。

ジャンプの直前には、右手を上げて合図を送る余裕をみせつけました。

世界中が見守るなか、ボームバートナー氏の命を賭けた挑戦は成功!!パラシュートで着地したときには、自らの足で立ちガッツポーズをみせるほどピンピンしていて、視聴者を安心させてくれました。

一方で、注目の記録へのチャレンジ結果はといいますと・・。

1)世界最高度からのジャンプ→記録更新!
フィアレス・フィリックスとの愛称でも知られるボームガートナー氏がジャンプしたカプセルの高度は、 高度12.8万フィート、つまりは39000m!!

2)落下スピード、音速との壁→記録更新!
音速とされる1225km/時間の壁を超え、1342.8km/時間を達成しました!

3)落下時間→残念。
落下時間はキッティンガー大尉がもつ4分36秒を破れず・・・あえなく4分18秒でストップ。パラシュートを開いてしまえば、「フリーフォール」と認定されませんから。

それでも、音速をスーパー宇宙服のみで超えたのは、この世の中で彼ただ一人。神々しい記録に、両手を叩いて栄誉を称えさせていただきます。

お母さん、無事にパラシュートを開いたときにはこの笑顔!!

人体が音速を超えるという壮大な実験が成功した10月14日は、米空軍パイロットのチャック・イェーガー氏が軍用開発機「X-1」で音速を突破した65周年にあたります。キッティンガー氏というスペースジャンプの先輩から教えを乞い、機械ではなく自らの身体で記録を更新したボームガートナー氏は、生還してからこう発言していましたね。

「When I was standing there on top of the world, you become so humble, you do not think about of breaking records anymore, you do not think about gaining scientific date. The only thing you want is to come back alive(世界の頂上に立ったときに、人は謙虚になるもので、記録更新とか科学的データの取得なんて考えないものだ。ただ、生きて帰ってくることだけを望むことになる。)」

実際、落下してから彼の身体はスピンし続け、計画参加者から家族まで心臓が止まるほどの緊張が走る場面がありました。後に彼は「強烈な圧力を感じだけど、意識を失うとは思わなかった」と振り返ってしましたが、見ている私もハラハラドキドキ・・。気絶してパラシュートを開けなくなるのでは、と手に汗握ったものです。いやー、成功して本当によかった!!

プロジェクト・ディレクターと会心の笑みをみせるボームガートナー氏。

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