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モルガン・スタンレーが厳選、2013年の17大サプライズ☆

by • December 18, 2012 • Latest NewsComments (0)1773

Morgan Stanley’s Surprise Picks For 2013.

モルガン・スタンレーが、「2013年の17大サプライズ」と題したレポートを12日に発表いたしました。MSといえば、「10大びっくり予想」を毎年発表するバイロン・ウィーン氏(現ブラックストーン副会長)の古巣。今回のMS版は、ウィーン氏の10件を上回る17件となっております。またウィーン氏の「10大びっくり予想」が実現する確率につきウィーン氏自身が50%、市場関係者が3割を予想するなかで、MSは「あくまでも基本シナリオではない」と断っています。

バイロン・ウィーン氏の10大びっくり予想の目利きに、マーケットはいつもオドロキ!

では、17大サプライズにざっと目を通してみましょう!

Just When You Thought it Was Dead, Inflation Returns
→米国や中国の活発な経済回復、農産物の供給不安、そして中銀の膨大なバランスシートが災いしてインフレが急伸する。特に農産物のインフレが深刻化して小麦暴動が発生し、イギリスでは小麦を使わないオートケーキが推奨される。

 Debt Cancellation
→ 米、日、英の財務省がそれぞれの中銀に買い取らせた国債の帳消しを宣言する。中銀は含み損を抱える羽目になるものの、各国の政府債務はGDP比でそれぞれ減少し、米国は11bp、日本は18bp、英国は25bp縮小へ。格付け会社は高い評価を与え債券市場も買いで反応するが、大規模な債券の現金化が進むことからまもなく急落を迎える。

 US Over the Cliff and Likes it
→米国が「財政の崖」を乗り越えるのは2013年初めになるものの、米議員は金融市場への影響を懸念し一時しのぎではなく不透明性を払拭させるかたちで合意に達する。結果、立ち止まっていた設備投資や雇用が急速に回復していく。

 US Housing Stalls Out
→回復が進んでいた米住宅市場が一転し、信用収縮から行き詰まりを迎える。米連邦住宅局(FHA)で財務問題が発生し新規住宅ローンの借り手が急減へ。住宅ローン組成者も精密な検査を求めるようになる。

 BoJ Adopts Rule-Based Monetary Policy
→政権交代後、日銀が食品・エネルギーを除いた消費者物価指数(CPI)の数値目標を導入する。しかし2013年12月までマイナス圏を保つため、日銀は積極的な追加緩和策が余儀なくされる。

 BoJ First to Buy Euro Area Bonds
→日銀はデフレ脱却と円相場の押し下げを目指し、欧州中央銀行による国債買い切りオペレーション開始に先駆けてユーロ圏の国債買取を決断する。買取にはESMやEFSFの債券のほか、高利回りのユーロ圏周縁国を含む。

 Italian Politics Revives CRIC Cycle and Triggers OMT
→イタリアで2月に実施予定の総選挙で財政健全化に反対する党派が台頭し、イタリアがユーロ圏から離脱するとの不安がマーケットを襲う。イタリアは欧州中央銀行に国債買い切りプログラムを要請する最初の国になり、ユーロ安・ユーロ圏周縁国債の売りが進む。

 From ‘Grexit’ to ‘Brixit’
→ギリシャ脱退より英国のEU離脱が意識される。銀行同盟や自由貿易の障害を意識し2013年上半期にも国民投票が実施されるか。

 The UK Formally Gives Up the Fight Against Inflation
→英国がインフレとの闘いを断念する。インフレは目標値の2%を2013年も上回り続け、結局イングランド銀行は信頼失墜もあり目標値引き上げに踏み切る。さらに金融政策委員会と財政政策委員会を統合する。

 Recession Returns to Australia
→オーストラリアが21年ぶりに景気後退に陥る。

 Not the Right Green Shoots in EM
→世界経済の回復とともに輸出も改善し、エマージング国の経済が輸出・投資主導で拡大する。しかし理想的な成長とはいえず、構造改革が遅れエマージング国はまもなく経済悪化に直面する。

 China’s Shocking Tightening
→中国がうかつにも引き締め政策に踏み切る。簿外での貸出が禁止され流動性危機が発生し、債務不履行が急増して経済回復が腰折れする。

 The AXJ Productivity Booster
→日本を除くアジア諸国の政策担当者が構造改革に取り組み、生産性の劇的な引き上げに成功する。中国はバリューチェーンを加速させるとともに消費が加速。インドネシアでは構造改革を通じ資源以外での競争性が増し企業収益を押し上げる。

 Mexico’s Moment Arrives
→メキシコのぺニャニエト新大統領が、積極的にエネルギー部門/財政改革に着手する。海外直接投資の拡大見通しからメキシコ・ペソは上昇し、ソブリン格付けにも引き上げ期待が生まれる。

 Brazilian Policy Shifts to Boosting Supply
→ブラジルで、ルーセフ大統領がインフラ整備プログラムを始動させる。海外直接投資がふくらみ、ブラジル・レアルが上昇する。

 Turkey Goes Boringly Orthodox in Rates
→トルコが伝統的な金融政策に回帰する。物価と金融安定を目指す現在の手法を変更するものの、トルコ・リラの上昇、為替におけるボラティリティの上昇、経常赤字の拡大に悩まされ非伝統的な政策へ戻し失った信頼の回復に努める。

 Back in the USSR
→ロシアの プーチン大統領がウクライナをユーラシア関税同盟へ引き戻し、EU加盟を未然に防ぐことに成功。ベラルーシやカザフスタンなどを含め、旧ソ連同盟の再統合の布石となる。

いかがでしたでしょうか?年明けに発表される、びっくり予想のご本尊の中身が楽しみです!

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