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ダイヤモンドは永遠の輝き・・婚約指輪の伝統はいつから?

by • August 6, 2013 • GossipComments (0)6333

Diamonds Are Forever.. Since When?

マリリン・モンローが蜂蜜のような金髪を揺らし、とろけんばかりの微笑みを惜しみなくさらした1953年の名画「紳士は金髪がお好き」。紅を差したぽってり官能的なマリリンの唇から「Diamonds are girls’ best friend~♪」の歌詞がこぼれ落ちたのは、あまりに印象的でした。多くの女性はマリリンのように大粒のダイヤモンドをちりばめられた宝飾品を男性から贈られたいと望み、男性は自身の社会的地位を誇示する手段として女性にはダイヤを捧げるものと認識したのではないでしょうか。特に、愛の証--婚約指輪として。

60年たっても色褪せない魅力は、さすがマリリン。
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ワタクシが婚約した当時、女性は決まって左手をとって指輪をチェックしたものです。今年出席したいずれの結婚式でも、花嫁を祝福する女性陣は「おめでとう」の後、必ず「指輪みせて~」を大合唱してましたっけ。ある新婦は恭しく左手を差し出し、指からはみ出しそうなダイヤの塊に歓声をあげる友人方に「ふふん、悪くないでしょ(Not bad huh)?」と鼻高々だったのは、今でも脳裏に焼きついています。

婚約指輪が愛の尺度、男の甲斐性と化したのは、一体いつからなんでしょうか?Priceonomicsが明かしてくれます。

20世紀半ばに差し掛かる頃、ダイヤモンド市場は衰退の途にありました。ヨーロッパでは第2次世界大戦に突入するさなかダイヤは投資対象から外れ、アメリカでは世界恐慌の後遺症を引きずり需要は低下の一途をたどっていたのです。ダイヤモンド大手デビアスは売上の75%を米国に依存するなか、生き残りを賭け1938年、一人の男に運命を委ねます。

その男こそ、マディソン・アベニューに立ち並ぶPR会社N.W.アイレに勤務するジェラルド・M・ロック氏(Rockだとダイヤモンドを意味するのに、惜しい!スペルはLauckです)。辣腕の彼は、ダイヤモンド嗜好の低い当時の女性の価値観をまず、後回しにします。世界恐慌の影響あるいは華美と虚飾に包まれたアールデコ時代の反省か、当時のアメリカ人女性はダイヤモンドへの関心を失っていました。富裕層の女性は、婚約のしるしに「人とは違う」点を重視し、誰よりも洗練された逸品を追求していたんだとか。低所得者層の女性の間も手に届く範囲内のダイヤより、もっとお金の価値を示す現実的な手段を選んでいたようです。

だからこそ、ロック氏は送り手である男性に照準を当てるのです。結婚する女性へ捧げるダイヤの指輪こそ、男の成功の証。ダイヤが大きければ大きいほど品質が高ければ高いほど、ステータス・シンボルかつ真実の愛の象徴としての位置づけが増す・・・というイメージを刷り込んだというワケですね。仕上げは、現代でも燦然と輝くコピー「Diamonds Are Forever(ダイヤモンドは永遠の輝き)」。殿方の自尊心を煽ると同時に、婦人の虚栄心をくすぐる見事なマーケティング戦略、結果は・・21世紀に生きる皆様がご覧になるとおりです。バレンタイン・デーに便乗したチョコレート会社の陰謀が、ちっぽけにみえますね。

広告からして挑戦的。給与の2ヵ月分だと、日本の3ヵ月よりはマシですが。
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せっかく婚約指輪としてお買い上げしたダイヤ、残念ながら投資としての価値は低いんですよ。理由は

1)金、銀のように交換、液状化が不可(金買いますという広告は頻繁にみられるも、ダイヤは少なめ)
2)ダイヤの小売価格は卸売価格の100-200%増し(例えば2000ドルのダイヤの転売価格は600ドル)
3)4C(カラー、カット、クォリティ、クラリティ)でみる価値基準の判断が非常に複雑

などが挙げられております。ダイヤモンド小売店で販売経験がある友人も、「ダイヤは自動車やバッグと同じで消耗品。買ってから価値が急落するもの」と豪語してましたっけ。

ダイヤモンドという「永遠の輝き」をプロポーズの言葉とともに愛する女性に捧げる・・・なぁ~んてロマンチックといえば大変ロマンチックで、ワタクシも家人からいただきました。現代でも受け継がれる伝統な半面、世界恐慌から約85年を経て、男性からは疑問視する声が出てきているのも事実。

ある男性はキャンディかと見まごうような特大サイズのダイヤの指輪をオンライン・ショップで購入して手渡したものの、受け取った女性は返品したといいます。別の男性にいたっては、3年にわたって同棲していた女性から「最低でも2カラットじゃなきゃダメよ」とプレッシャーを掛けられ、別れを切り出しました。価値観の違いに、気がついたからです。世界で最も硬い天然物質のひとつとされるゆえに、2人の愛に亀裂を生むリスクをはらむなんて、皮肉としかいいようがないですね。

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