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WSJのヒルゼンラス記者、年内縮小を見送る可能性に言及

by • September 20, 2013 • Latest NewsComments (0)2980

Hilsenrath Sent Another Dovish Signal.

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のFed番として注目されるジョン・ヒルゼンラス記者が、年内の量的緩和(QE)縮小はなしとする記事を配信する――との噂が、20日のNY市場で広がったんです。少なくとも2014年に入るまで、縮小に踏み切らない見通しだという話でした。

エコノミストの間で12月のQE縮小を見込む声が高まるなか、ブッシュ政権で国家経済会議(NEC)委員長を務めリンゼー・レポートの創立者であるラリー・リンゼー氏も、CNBCに出演し「年内の縮小はない」と予想していましたっけね。

マーケットを駆け巡ったヒルゼンラス記者の噂、ニセ情報ではなかったんです。WSJ紙に記事として掲載されなかったものの、米株市場が終了する2時間前に動画として配信されました。同記者は9月のFOMCを振り返り、1)労働市場の改善、2)予算案および債務上限引き上げへの進展――を確認できず、QE縮小を手控えたと説明したんですよね。

もちろん、FOMC記者会見での常連です!
hilsenrath1

同時に財政協議の動向次第では年内縮小しない可能性も、否定しませんでした。相変わらず、ハト派寄りです。まぁ、「Fedのコミュニケーションは成功していた」と分析するように、5月からせっせと準備してきた縮小に着手する可能性も付け加えてましたけどね。

20人目のFOMC参加者(空席がない限り、FRB議長から地区連銀を合わせて参加者は19名)との異名のほか、モルガン・スタンレーの元アジア会長であるスティーブン・ローチ氏をして「陰のFRB議長」と言わしめるヒルゼンラス記者。縮小の有無について言及するときに口ごもったのが、非常に印象的でした。

ヒルゼンラス記者が送るメッセージは、ホントに一貫してるんですよね。直近の配信記事を当サイトから振り返ってみますと・・。

FOMC議事録 : WSJは9月QE縮小先送りを期待?(8月21日配信)
7月議事録に関する記事で、数人のFOMC参加者が縮小に積極的ではなく追加情報を評価すべきとの見方だったと紹介。

FOMC直前、ヒルゼンラス記者は数値目標の下方修正を予告(7月25日配信)
7月FOMCで、失業率とインフレの数値目標をそれぞれ引き下げるシグナルを点灯させる可能性を予想。

謎解きは議会証言の後で、WSJ記者はハト派寄りと解(7月17日配信)
バーナンキ議長が7月17日に行った米下院金融サービス委員会での議会証言(旧ハンフリー・ホーキンス証言)につき、1)下方リスク、2)資産買入、3)FF金利引き上げ、4)インフレ動向--の4点でハト派的だったと分析。

出口というパンドラの箱を開ける、4つのカギとは(7月16日配信)
出口政策は、1)労働市場の改善における持続性、2)失業率、3)インフレの2%回帰、4)財政引き締め動向――の4つの条件に掛かっていると指摘。

バーナンキ議長の発言に隠された、緩和継続の3つの理由(7月11日配信)
6月FOMCの議事録につき「タカ派寄り」といった認識した上で、バーナンキ議長の7月10日引け後に『失業率が6.5%を大幅に下回るまで委員会はFFレートを引き上げないだろう』と述べた点につき、「6月18-19日米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見に近い内容」と指摘。また、「政策の変更を意味するような発言と受け止めていない」とも言及。

ヒルゼンラス記者、市場はFOMCを「読み違え」と報道(6月21日配信)
6月FOMCを振り返り、1)FOMC声明文、2)バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見、3)FOMCメンバーの経済見通しおよびFF金利見通し――を紐解くと、「ハト派寄り」なスタンスが見て取れると説明。

見事なまでに、ブレてないですよね~。

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