Short Term Debt Extension May Mean Thanksgiving Day Battle.
ベイナー米下院議長は10日、債務上限を無条件で6週間引き上げる案を提示した。同議長は、会見で「指導力を発揮するときがきた」と発言。債務上限引き上げに制限を課さない代わりに、一部の政府機関の閉鎖継続を盛り込んだ歳出削減を求める。
共和党指導部は同日、ホワイトハウスでオバマ米大統領を初め民主党指導部と会合をもつ予定。債務上限到達まであと1週間に迫るなか、デフォルトを回避する歩み寄りをみせたかたちだ。なお2014年の中間選挙を控え、ギャラップが9日に発表した世論調査で共和党支持率が統計を開始した1992年来で最低を記録していた。
共和党寄りのフォックス・ニュースによると、共和党員の反応は「まちまち」。ティム・グリフィン下院議員(アーカンソー州選出)は「わずかながら協議を継続する道筋ができた」とコメントした一方、スティーブ・キング下院議員(アイオワ州選出)は「あまり乗り気になれない」と述べていた。
キング議員といえば、一時帰休の対象である議員スタッフを通常通り維持。
別の共和党指導部に属する議員によると、政府機関の閉鎖解除は「数週間以内」となる見通しだ。また債務引き上げ案を可決する票を確保済みで、明日にも採決にかける可能性があるという。
ホワイトハウス関係者は、提案を受け「共和党がデフォルトを人質に交渉する姿勢をあらため、政府機関の閉鎖を解除するよう行動すれば」、オバマ米大統領が予算協議のテーブルにつく用意があるとの見解を表明していた。ただし、オバマ米大統領はまず米下院による暫定予算案の可決を経た債務上限の引き上げを望んでおり、予算協議はその後と考えているという。民主党が提示する1年にわたる債務上限引き上げを目指しているとも繰り返していた。
一方でカーニー報道官の会見によると、オバマ米大統領は同提案に調印する方針だ。報道官のコメントをみると、債務上限到達までわずか1週間である背景から長期間の引き上げは断念したとみられる。
金融市場はベイナー米下院議長の記者会見内容を好感し、米株高・米債安・ドル高(対円で)で反応し諸手で歓迎してみせた。とはいえ、依然として問題は山積している。今回共和党が譲歩した手前、歳出削減であらためて強硬スタンスに傾くリスクが潜む。一部の政府機関では、閉鎖が継続する点も見過ごせない。短期間の債務上限引き上げで合意したとしても11月22日までとあって、同月28日に予定するサンクス・ギビングデーを前に再び予算協議で緊張が走りそうだ。
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今度はオバマ政権側が火遊び?共和党指導部との協議で進展なし