Dow Down Triple Digits For The First Trade Of The Year.
1月2日から、米金融市場は通常運転です。新年のスタートは、2013年末のユーフォリアから一転して目を覚ましたかのような急落を演じました。CNBCによるとダウ平均の下げ幅は、約2ヵ月ぶり。新年初の取引で陰線引けしたのは、2008年以来初めてとなります。
要因としては、
1)ウェルズ・ファーゴがアップルの投資判断を「アウトパフォーム」から「マーケットパフォームへ引き下げ」
2)米12月ISM製造業景況指数が約3年ぶり高水準を遂げた57.3から低下の57.0、市場予想とは一致
3)中国12月製造業PMI(国家統計局発表)が51.0と前月の51.4から低下、同HSBC製造業PMIは速報値通り50.5も、前月の50.8から低下
スタイフェル・ニコラウスのマーケット・ストラテジストであるエリオット・スパー氏は、本日の相場に対し「2013年末に売りたくなかった投資家の利益確定売りが新年早々に殺到したのだろう」と分析。確かにファンドを初め、2013年末のサンタ・ラリーにはドレッシング買いを入れてきたことも否定できません。
あと、考えられるのは大雪です。現在NY市、ニュージャージー州北東部など3日の午後1時まで警報を発令中。積雪量は5−9インチの予報ですから、12.7–22.9cmです。
豪雪で地下鉄の運行状況、道路状況が混乱すれば通勤に支障をきたすことは当然です。会社は閉鎖を余儀なくされ、自宅勤務となることでしょう。ただし、恐ろしいのがネット・インフラ。ハリケーン「サンディ」で懲りたように、想定外の気候条件でのインターネット整備が万全かと言われるとイエスとは言えません。猛吹雪「ニモ」が13年2月8日に直撃したときには、パーク・アベニューに建つ弊社のビルも回線が遮断されました。あのときも、ニモ上陸の1日前にあたる2月7日に米株は下落していたんです。NYで天候要因を馬鹿にできませんから、週末を控えたポジション手仕舞いという理由も重なり売りが集まったかと推察できます。
利益確定、ポジション手仕舞い売りと判断する一方で、弱気派は1月のアノマリーを意識し始めました。
S&PキャピタルIQのシニア・インデックス・アナリストのハワード・シルバーブラット氏いわく、「1月の最初のS&P500の日足とその年の年足は相関関係が50%」なんです。”1年の計は元旦にあり”、が相場にも通じるというわけですね。それだけでは、ありません。1月の月足は、1929年から65回にわたり年足を正確に現してきたといいます。相関性は73%に達しているだけに、頭の隅に置いておきたいところです。
米株相場の他に、原油相場も本日3%も急落しました。50日移動平均線が200日移動平均線を下回り、デッドクロスを迎えています。原油市場は需給バランスに加えシェールガスのこんな予想もあったので一部では想定内だったかもしれませんが、この大幅安に一部の市場関係者も驚きを隠せず。UBSの金融サービスの取引責任者であるアート・ケイシン氏が中国12月製造業PMIの失速に懸念を示したように、原油市場でも「中国ハードランディング説」が再燃したのでしょうか。サンタ・ラリーに沸いた年末から、たった1日でこの様変わりは柔軟性に満ちたアメリカ市場関係者らしさとも言えますけどね。
(カバー写真 : Foxbusiness)
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