From Russia With Tough Love?
オバマ米大統領は3月6日、ロシアおよびウクライナの一部当局者を対象に渡航禁止や資産凍結などの制裁を課す大統領令に署名しました。欧州連合(EU)はそれから約1週間後の14日、米国と同様の制裁を発動する可能性のあるロシア政権幹部120-130人のリストを作成。外交的にじわじわと包囲網をせばめています。
かたやロシアはというと。クリミア半島で16日実施の住民投票でロシア編入が濃厚となるなか、国連の安全保障理事会で15日にクリミア住民投票を無効とする米国が提出した案に拒否権を突きつけしましたね。ちなみに、中国は棄権していました。
その他にも、対策を講じていた可能性が浮かび上がっています。
ロシアといえば、米国債保有高は2013年12月時点で1386億ドル。1位である中国(1兆2689ドル)や2位の日本(1兆1825億ドル)に遠く及びませんが、ロシアは11位なんです。
米連邦準備制度理事会(FRB)が預かる海外中銀の米国債保有高に、異変が生じていました。
週ごとにFRBが公表する海外中銀の米国債保有残高動向を紐解くと、3月12日までの1週間だけで1050億ドル縮小し過去最大の減少幅を記録したんです。
チャートで見ると、劇的なまでの急減です。
仮にロシアが主犯だとすれば、米国に対し売却への警告を発したのか。あるいは、米国による制裁を考慮してFRBから米国債を別の信託銀行へ移したと考えられます。
もしくは自国の通貨安に対応するため、エマージング諸国の介入という実弾として売却し始めたのかもしれません。
WSJ紙によると、3月12日週までの残高は2兆8550億ドルでした。2013年12月に3兆200億ドルと過去最高を遂げた後で減少に転じており、1月にトルコやアルゼンチンを中心に襲った通貨安も考慮に入れなければならないでしょう。
いずれにしても、米国債が崩れる兆候は現れていません。米10年債利回りは3月11日に2.8%に上振れした程度で2.645%へ低下し週を終えています。週足では反発していました。世界景気にさらなる不透明性が強まれば、テーパリング続行でできた穴を埋めるように米国債に資金が流入してくる余地が残ります。
(カバー写真 : seputarforex.com)
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