JP Morgan Chase & Co sign outside headquarters in New York

JPモルガン、4−6月期決算は予想上回る—企業・消費者向け貸出を促進

by • July 15, 2014 • Finance, Latest NewsComments (0)2760

JP Morgan Pumped Up Loans For Business And Consumers.

JPモルガン・チェースが15日寄り前に発表した4-6月(第2四半期)決算は、前年同期比7.9%減の59億9000万ドル(約6090億円)だった。法務費用5億ドル(1株当たり13セント)など一部項目を除いたベースの1株当たり利益は1.59ドルとなり、市場予想の1.31ドルより強い。収入は2.3%減の254億ドルと、こちらも減収ながらアナリスト予想平均の238億9000万ドルを上回った。

JPモルガンは5月に、トレーディング収入の低迷が4-6月期末まで続くと予想。ただ今回はジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が決算資料にて、同四半期の終盤にかけて「一部の市場活動」の改善を確認したと説明するように、債券・市場予想より減収幅を縮小させている。

トレーディング収入は、債券が前年同期比15%減の35億ドルとなり歴史的に低いボラティリティと顧客からの受注不足が響いた。ただし、市場予想の31億4000万ドルを上回った。株式はデリバティブ収入の減速を反映し10%減の12億ドルで、アナリスト予想と一致した。

コーポレート・投資銀行部門の収入は前年同期比9%減の89億9100万ドル。1-3月期の86億600万ドルからは4%増加した。純利益は31%減の19億6300万ドルだった。そのうち投資銀行業務の手数料は3%増の18億ドルと、市場予想の16億6000万ドルおよび前期の14億4000万ドルより強い。引き受け業務は株式が4%増の4億7700万ドルと、市場予想の4億7600万ドルを小幅ながら上回った。債券は6%減の8億9900万ドルながら、市場予想の8億5200万ドルおよび前期の7億800万ドルを超えた。助言業務は31%増の3億9700万ドルと、市場予想の3億3100万ドルおよび前期の3億8300万ドルから増加した。

消費者・地銀部門の純利益は前年同期比21%減の24億4300万ドル。収入が5.0%減の114億3100万ドルだった。純金利収入は2%減の70億ドル。非金利収入は9%減の45億ドルで、住宅ローンおよび関連業務が押し下げ要因となった。非金利費用は6%減の65億ドルだった。平均預金額は前年同期比7%増の4861億ドルとなり、前期からも5%増加した。

住宅ローン部門は純利益は前年同期比49%減の4億3300万ドルだった。住宅ローン申請額は54%減の301億ドル、前期比では15%増だった。住宅ローン組成額は前年同期比66%減の168億ドルとなり、前期比でも1%減少した。

企業向け銀行ローン組成額は46%増の19億ドル、前期比でも27%増加し過去最高を記録した。クレジットカードの売上額は12%増となり、25期連続で強い伸びを維持。自動車ローン組成額は4%増の71億ドルとなり、前期比からも6%増だった。

資産運用部門は、収入が前年同期比8%増の29億7000万ドルだった。前期比でも、6%増を示す。

引当金は6億9200万ドルとなり、市場予想の9億1380万ドルおよび前期の8億5000万ドルを下回った。シティグループと同じく、信用の質が改善している。中核的自己資本(コアTier1)比率は9.8%だった。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は喉頭ガンの治療を受けるにあたり、引き続き経営に携わると説明した。ただし「あらゆるシナリオ」も用意しており、放射線治療と化学治療後に8週間程度の休養が必要になる場合にも言及した。

——以上の結果を踏まえ、株価は58.27ドル(1.98ドル高、3.52%高)で引け。貸出を促進し、企業向け銀行ローン組成額は46%増の19億ドルと過去最高というのは大いに歓迎されるべきニュースでしょう。ただ、気になる住宅ローン部門はウェルズ・ファーゴと同じくさえません。米雇用統計の改善イコール支出増、住宅購入促進とはいかないようです。

(カバー写真 : Metro)

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