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米10月NFIB中小企業楽観度指数は上昇も、賃上げ見通しは低下

by • November 11, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1961

NFIB: Small-Business Optimism Index Up, Plan To Raise Wage Down.

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表するLabor Market Conditions Index(LMCI)、労働市場情勢指数に含まれる米10月NFIB中小企業楽観度指数は96.1となり、市場予想の96.0とほぼ変わらずとなった。3ヵ月ぶりに低下した前月の95.3を上回りつつ、2007年9月以来で最高を遂げた7月の96.7には届いていない。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「中小企業オーナーは設備投資や雇用増加を計画するものの滑走路にいる状態で、経済見通しに明るさがみえないなか離陸する段階にはない」と指摘。また景気楽観度が強まっておらず、債務負担を意識し「銀行からの融資にも消極的」と付け加えた。

楽観度指数、2007年以来の高水準近くで上げ渋りをキープ。

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(出所:NFIB)

内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は8項目。「設備投資を拡大する」をはじめ、「雇用を増加させる」などが増加していた。プラス圏を保ちつつ「賃上げ見通し」は、前回から低下している。一方で前回横ばいだった「在庫満足度」はマイナスに転じ、「経済がより良くなる」は前月から下振れした。全体的に楽観度が後退した。以下は、項目ごとの変化。

「設備投資を拡大する」26%→前月の22%から上昇、6ヵ月平均は24%
「求人件数」24%→ 前月の21%から上昇、6ヵ月平均は24%
「賃上げ見通し」13%→前月の15%から低下、6ヵ月平均は14%
「事業拡大に良いタイミング」11%→ 前月の13%から低下、6ヵ月平均は10%
「雇用を増加させる」9%→ 前月の5%から上昇、6ヵ月平均は9%
「売上が拡大予想」9%→ 前月の5%から上昇、6ヵ月平均は9%
「販売価格の上昇」8%→前月の4%から上昇、6ヵ月平均は10%
「在庫を増加させる」3%→ 前月の2%から上昇、6ヵ月平均は1%

「在庫満足度」−3%→ 前月のゼロ%から低下、6ヵ月平均は−2%
「経済がより良くなる」‐3%→ 前月の−2%から悪化、6ヵ月平均は−4%
「信用状況が緩和する」‐5%→ 前月の−7%から改善、6ヵ月平均は-6%
「黒字トレンドにある」‐20%→ 前月の‐19%から悪化、6ヵ月平均は−18%

——米10月雇用統計と整合的で、賃上げ見通しは低下していました。雇用を増加する気はあっても、経済見通しに楽観的ではない事情が反映されて賃上げに慎重な姿勢が伺えます。

労働市場情勢指数に含まれる「NFIBの求人指数」つまり求人件数は24%と、前月から3%ポイント上昇していました。米10月LMCIは4.0と、速報値の2.5から4.0に上方修正された9月と変わらず。ただし景気回復サイクル期に307ポイント改善し、リセッション期に低下した366ポイントを取り戻す軌道にあります。バークレイズは結果を受け「2015年いないにリセッション前の水準を回復すると」と予想するとともに、第1弾の利上げ見通しを「2015年半ば」で維持していました。

(カバー写真:Expertbeacon)

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