September Home Price Indices Slow Further.
米9月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前、20都市別)は前年同月比4.90%上昇の173.72となり、市場予想の4.60%を上回った。2年4ヵ月連続でプラス圏を保ちつつ、伸び率は前月の5.65%を下回り2013年2月以来の10%割れを維持している。季節調整済み・20都市別の前月比は0.34%の上昇と、市場予想の0.30%を上回った。8月の0.12%の低下からプラス圏を回復、マイナス基調を4ヵ月で止めた。
S&Pケースシラー住宅価格指数、前年比は失速トレンドをキープ。
季節調整済みでは、前月比で3都市が低下。7月の11都市から減少した。ワースト1位は前月3位のミシガン州デトロイトで0.23%の低下に。2位はワシントンD.C.で0.10%の低下、3位は前月と変わらずミネソタ州ミネアポリスで0.01%の低下となった。一方、上昇率トップはオハイオ州シャーロットで1.22%。2位は前月3位だったジョージア州アトランタで1.19%、3位はフロリダ州マイアミで1.16%だった。
発表元のS&Pダウ・ジョーンズ・インデシーズのデビッド・ビルザー会長は結果に対し「全米住宅市数は0.03%の低下と2013年11月以来初めてマイナスに落ち込んだ」と指摘。都市別では前年比で2桁増を達成していたネバダ州ラスベガスが2012年10月以来の10%割れへ鈍化したように、全体的に住宅価格が前年比でモメンタムを失いつつある現状にも触れた。ただし米11月NAHB住宅市場指数が約9年ぶり高水準で、米10月住宅着工件数の一戸建てが増加し、米10月中古住宅販売件数も好調だったことから「2015年にかけ市場は安定し、わずに上向く可能性もある」と楽観的に結んだ。
米住宅金融公社(FHFA)が発表した米9月住宅価格指数は前月比±0%となり、市場予想の0.4%の上昇に反し横ばいにとどまった。前月の0.4%(0.5%から下方修正)を下回り、9ヵ月連続でのプラス基調に終止符を打っている。前年比では4.3%の上昇を示し、前月の4.8%(速報値ベース)から鈍化。2013年5月につけたピークの8.6%から、鈍化トレンドを維持している。2005年国勢調査ベースの9地域別中では5地域で上昇し、前月の7地域を下回った。
なおFHFA住宅価格指数は、S&P/ケース・シラー住宅価格指数とは対象が異なる。米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従って数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
(カバー写真:Glassdoor)
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