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米10月個人消費は予想以下、第4四半期は幸先良いスタート切れず

by • November 26, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1825

Consumer Spending And Income Growth Less Than Estimates In October.

米10月個人消費支出は前月比0.2%増となり、前月の±0%(0.2%減)を上回った。ただし、市場予想0.3%増には届かず。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 0.16%減、前月の1.09%減と合わせ2ヵ月連続で減少
・非耐久財 0.18%増、前月の0.32%減を上回り3ヵ月ぶりに増加
・サービス 0.31%増、前月の0.34%増を含み増加基調を維持

耐久財は米10月新車販売台数が伸び悩みをみせたほか、新型スマートフォン発売後の反動で家電消費が減速したことが一因とみられる。非耐久財は、引き続きガソリン価格の下落が押し下げ要因。サービスは平年を上回る気温が暖房需要を抑えたとみられる。

米10月個人所得は9月に続き前月比0.2%増となり、市場予想0.4%増を下回った。ただし、10ヵ月連続での増加となる。可処分所得は0.2%増と、前月の0.1%増を上回った。貯蓄率は前月と変わらず、5.0%。7月の5.2%を下回った水準を保つ。

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金・所得 0.3%増、前月の0.2%増を上回り5ヵ月連続で増加
(民間が0.3%増と前月の0.2%を超え、特に財生産業が0.6%増と前月の0.1%増から加速。サービスは0.2%増、政府も0.1%増で前月と変わらず)
・不動産収入 0.5%増となり3ヵ月ぶり増加、前月は0.1%減
(農場が2.3%減と4ヵ月ぶりに2桁マイナスから脱却、非農場は2ヵ月連続で0.6%増)
・家賃収入 0.4%増、前月の0.6%増を下回りつつ20ヵ月連続で増加
・資産収入 0.1%増、前月の±0%から増加に反転
(配当は0.6%増と9ヵ月連続で増加も、金利収入が0.2%減と4ヵ月連続で減少)
・社会福祉 0.1%減、前月の0.2%減を下回り増加基調にブレーキ
(メディケイド=低所得者層向け医療保険が±0%と増加基調を9ヵ月で止め、メディケア=高所得者向け医療保険は0.4%減と、増加基調を6ヵ月連続でストップさせる)
・社会補助 0.2%増、前月と変わらず少なくとも11ヵ月連続で増加

米10月個人消費支出(PCE)デフレーターは9月と変わらず、前月比0.1%の上昇。市場予想±0%を上回った。前年比は3ヵ月連続で1.4%の上昇を示し、市場予想とも一致している。コアPCEデフレーターは市場予想通り、前月比0.2%の上昇を示した。9月までは4ヵ月連続で0.1%の上昇を示していたが、米10月消費者物価指数で確認されたように上向きに転じている。前年比も9月まで5ヵ月連続で1.5%を経て、今回は1.6%だった。少なくとも、2013年2月以来の高水準を保つ。とはいえ、PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持。「2%」割れは、そろって2012年5月以来となる。

バークレイズは、今回に加え米10月耐久財受注を受けて「10−12月期国内総生産(GDP)の予想を従来の2.6%増から2.3%増」へ下方修正した。7−9月期は9月分の個人消費が上方修正されたこともあり、改定値通り3.9%増を見込む。

——米北東部を中心にサンクスギビング・デーおよびブラック・フライデーは冬の嵐が直撃し、積雪・降雨・強風という大荒れの予報が出ております。冷たい北風が光熱費を押し上げる期待が高まるとはいっても、2013年と同じく光熱費により他の消費が圧迫される場合も考えられ、非常に悩ましい。ホリデー商戦で健闘するかは、お天道様がカギを握るといっても過言ではないでしょう。

(カバー写真:Reuters)

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