2014-12-05t154455z1543559944pm1eac517ct01rtrmadp3oil-pump-price-fall

米11月生産者物価指数が下振れ、ディスインフレ懸念再燃

by • December 12, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1735

Cheaper Gasoline And Strong Dollar Push Wholesale Prices Down.

米11月生産者物価指数(PPI)を受け、ディスインフレ懸念が再燃しています。

PPIは前月比で0.2%低下し、市場予想の0.1%より下げ幅を広げました。前年比も1.4%と、前月の1.5%を下回り9ヵ月ぶり低水準となっています。コアPPIも±0%と市場予想の0.1%以下にとどまり、前月の0.4%からも減速しました。前年比は10月と変わらず、1.8%です。

内訳をみると、原油安によりエネルギーが3.1%低下し、2013年3月以来の水準を示しました。ガソリンが特に6.3%と2年間で最大の下げ幅となっています。食品も0.2%の低下し、豚肉や生鮮食品などがマイナス要因となりました。全体の60%を占めるサービスが0.1%の上昇と、前月の0.5%から鈍化。米労働省によると10月は卸売の利ざや拡大に伴う一時的要因で加速しており、今回の結果こそ実体経済を反映した数字となります。

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、結果を受け「モノの価格は海外要因、貿易動向、ドル高などの影響を受けやすい」と指摘。原油先物が約5年ぶりに60ドル割れを迎えることもあってPPIは今後も低水準をたどる見通しで、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にジャナス・キャピタルのビル・グロス氏は「市場が予想するより、Fedはハト派寄りへ傾くだろう」と予想していました。

経済成長と雇用が回復するなかで、Fedがどこまでディスインフレ懸念に対応するのでしょうか。米12月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値では、1年先インフレ見通しは2.9%と前月の2.8%から上昇。5年先のインフレ見通しも2.9%と前月の2.6%を上回っており、少なくとも消費者レベルの間でディスインフレの影は差していないようです。

(カバー写真:Reuters/Eric Gaillard)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.