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米12月NAHB住宅市場指数、原油安もあり9月で頭打ちの予感

by • December 15, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1759

Home Builder Confidence Dips In December, Suggesting September Hit Its Peak.

米12月NAHB住宅市場指数は57となり、市場予想の59を下回った。前月の58にもあと一歩及ばず、2005年11月以来の高水準だった9月の59から、やや遠ざかった。

内訳をみると、一戸建て現況指数が61と前月の62から低下し、9月の63を手前に失速。一戸建て見通し指数も65と前月の66を下回り、9月の67で頭打ち感を示す。見込み客指数は前月と変わらず、45だった。

4大地域別での住宅市場指数は、1地域のみ上昇。前月の4地域から減少した。今回は西部が74と前月の60から急伸したものの、住宅市場の規模が最も大きい南部が58と4ヵ月ぶりに60を割り込んだ。北東部も46と、前月の51から分岐点の50割れ。中西部は54と、前月から2ポイント低下した。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のケビン・ケリー会長は、結果に対し「全米の市場関係者の多くが1年を通じた改善を認識しており、2015年の動向にも自信をもつ」と楽観的な見方を示した。デビッド・クロウ主席エコノミストも「今年初めの停滞を経て、過去6ヵ月間は55—59で安定している」と指摘。前月に続き「2015年も安定的で緩やかな回復を続けるだろう」と、前向きなコメントを寄せた。

——以上のように米住宅建設業者は、いたってポジティブ。2015年半ばの利上げが意識されながら 1)緩やかな利上げを通じた低金利の継続、2)労働市場の改善、3)安定的な成長見通し——を元に楽観の土台を築いているのでしょう。

前向きな建築業者の死角は、原油安。設備投資の落ち込みが予想されるだけでなく、エネルギー産業が盛んな州を中心とした経済減速が警戒されます。

特にエネルギー産業に依存する州の動向は、見捨てておけません。ロイターによると、エネルギー産業の依存度が強いテキサス州のヒューストンでは、原油価格が下落トレンドに入って以来初の解雇が発表されたといいます。不動産業者も、2015年の住宅販売につき最大12%の減少を予想しているとか。格付け会社フィッチによるとアラスカ州では原油価格予想の大幅引き下げにより、2015年度の歳入を約20億ドル下方修正する見通し。ウェルズ・ファーゴのアナリストは、アラスカ州のほかテキサス州、ノースダコタ州、オクラホマ州、ニューメキシコ州の財政も、原油安の打撃を回避できないといいます。6月以降で40%以上も急落した原油相場が与える悪影響について、念頭に入れて置くべきでしょう。

(カバー写真:Homebuilders.com)

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