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米12月雇用統計、賃金が低下した職種はこちら

by • January 9, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3502

The Sectors That Lag In Hourly Wage For December.

米12月雇用統計、時間当たり賃金は前月比0.2%減と2013年7月以来の低下を示しました。下げ幅でいえば、少なくとも2006年以来で最大という不名誉にあずかりました。

どんな職種で賃金が低下したのでしょうか?一覧を作ってみました。緑の枠が前月比で低下した項目になります。

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全体的に低下しており、特に目立ったセクターが鋼業で1.0%も落ち込んでいました。原油先物が2014年に圧倒的なアンダーパフォームを示した煽りを受け、大幅に減速しています。その他では、ホリデー商戦で大幅な臨時雇用を確認した小売が0.4%という体たらく。ただでさえ他セクターと外食サービス産業は他と比較して低賃金なのに、ひどいものです。

単月の数字を単純比較しただけでは全体の潮流がみえないというあなたには、こちらをどうぞ。バークレイズが3ヵ月比年率で分析した数字によると生産労働・非管理職の時間当たり賃金は12月に0.2%の上昇にとどまり、11月の1.4%から上昇ペースに急ブレーキが掛けていました。職種ではやはり小売が1.2%と低下が著しく、次いで情報が0.7%の低下、卸売は0.5%の低下、建設と専門・企業サービスはそろって0.3%の低下となっています。米雇用統計の非農業部門就労者数(NFP)こそ快速のような勢いですが、賃金になると鈍行ですらない有様です。

雇用の質の面でも、12月は食品サービスが4.4万人増と2014年平均の3万人を上回っていました。12月NFPの約5分の1%を占めており、製造業の1.7万人増を軽く超えております。

食品サービス業と製造業の就労者数のギャップは、縮まるばかり。
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(出所:Zerohedge

上記の表にあるように、食品サービスを含む娯楽・宿泊の12月の時間当たり賃金は14.08ドル(約1670円)に過ぎません。製造業の24.91ドル(約2950円)に遠く及ばず、マイホームを持つというアメリカン・ドリームがどんどん遠ざかっている様子がうかがえます。せっかく米7−9月期国内総生産(GDP)確報値が5%を叩き出しても、持ち家率が7−9月期に1995年以来の低水準にとどまるはずですね。ニューヨーク市やサンフランシスコ市だと住宅を購入できる年収の水準が全米平均の遥か上ですから、マイホームなんて夢のまた夢でございます。

(カバー写真:cobalt123/Flickr)

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