Sushi Dojo Offers New York Style Sushi With Relatively Low Prices.
ニューヨークといえば、世界各国から集まった人々でごった返すメトロポリス。高級フレンチ・シーフードで知られる”ル・バーナディン”では、フレンチ系だけでなくアジア系やらヒスパニック系がせわしくホールを行き交う。高級レストラン以外でも、その国・地域の人種を問わず自慢の料理を誇らしげに運んでおります。
1stアベニューに建つ”Sushi Dojo”も、そんなニューヨークらしい寿司屋と言えるでしょう。大将は、共同オーナーも務めるフロリダ州出身でフランス系モロッコ人の血を引くデビッド・ブハーダナ氏28歳。ミシュラン3つ星を誇る”Masa”で短期間、ミートパッキング・ディストリクトに構える”Morimoto”で9ヵ月間働いた経歴を持つ彼が握る寿司に対し、レストラン情報サイトのイーターは「NY市内で名高い寿司レストランに近い握りのクオリティを半額で味わえる」と太鼓判を押しています。確かに”おまかせ10ピース”45ドルに始まり”4コース”で90ドルというのは、NY随一と誉れの高いSushi Nakazawaの150ドルや”15 East”の160ドルと比較するとお手頃ではあります。
MasaやMorimotoで鍛えた包丁さばきは、お客様も感心?
そんな評判を聞きつけ、友人のアジア系男性が自身のバースデー・ディナーの舞台をここに決めました。午後7時の予約のところ10分前に到着した家人と筆者。店内に入り、ウェイトレスに声を掛けると「テーブルが用意できていないのでお待ちいただけますか」とすげない・・・。12人超のテーブルは戸口から続く廊下のガラス越しに見えておりナプキンからお箸まで並んでいたんですが、完璧主義なんでしょうか。氷点下近い気温ではストリートで待つと風邪を引いてしまいそうだったので、入口と戸口の狭い廊下で身体を寄せ合う羽目になってしまいました。
午後7時をまわって人が集まり始めたところでようやく店内に招き入れられ、前菜からスタート。お値段10ドル前後でお豆腐、豚の角煮、ウニクリームコロッケなどを頂きました。
肝心のお寿司はというと・・・。義理の母の言葉を思い出しました。「料理の腕は、ご飯を炊けるかあるいは卵を茹でられるかで判断できる」。はい、シャリ独特のまろみ、うま味が全く感じられなかったのです。酢が利き過ぎてネタの風味を引き出すどころか殺してしまっており、なかなか箸が進みませんでした。ハイチ系アメリカ人の家人ですら違和感をおぼえたのか、食してすぐに私の耳元で「酢が強過ぎるよね?」と同意を求めるほど。ネタは悪くなかったんですがね・・。
12人で3コースのお寿司、前菜、日本酒2本をオーダーして1人95ドルでした。
カリフォルニア・ロールやドラゴン・ロールといったアメリカンな寿司ではなく、伝統に則ったお寿司を握ろうとする姿勢には感服いたします。ニューヨークなだけに、日本人ではない寿司職人が現れても不思議ではありません。ただシャリだけは、もう少し勉強して頂ければと思った次第でございました。
(カバー写真、文中写真全て:My Big Apple NY)
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