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竜宮城もかくや? 華麗なる晩餐 at ル・バーナディン

by • December 20, 2014 • Latest News, Restaurant ReviewsComments Off6116 •

food: 91%

ambience: 87%

service: 89%

quiet level: 75%

bathroom: 80%

Summary:

Le Bernardin, Living Up To Every Expectation.

まもなく筆者、NY生活10周年の節目を迎えます。知ってか知らずか、家人が誕生日に連れて行ってくれたレストランこそ、群雄割拠するニューヨークで約30年にわたりトップの座を守り続ける老舗「ル・バーナディン(Le Bernadin)」。こちらで紹介した折には、まさか2ヵ月後に訪れるとは想像すらしていませんでした。

言うまでもなくミシュランの3つ星に君臨し、2015年版ザガット・サーベイで13回目となる「NYのトップ・レストラン」に輝くフレンチ・シーフードの名店。さすが予約も簡単ではありません。家人いわく約1ヵ月前に予約の電話を入れ、コンファームされるまで1週間を要したとか。殿方にジャケットの着用を求めるのも、王者たる風格がなせる業でしょうか。

並んで座れる一番奥のコーナー・ブースの席に通していただき、メニューを開く。ディナーコースは生の素材を活かした「Almost  Raw」、ほんの少し手を入れた「Barely Touched」のうちお好きな2品、そして軽く火を通したメイン「Lightly Cooked」から成るトリオロジー。お値段は、締めくくりのデザートを合わせ135ドル(約1万6130円)となります。もっといろいろ試したいあなたには、お一人様155ドル(約1万8520円)のル・バーナディン・テイスティング・メニューのほか、エグゼクティブ・シェフであるエリック・リパート氏が厳選した198ドル(約2万3660円)のシェフズ・テイスティング・メニューも用意してございます。

初挑戦は、無難にディナーコースをチョイスしました。ずっしり重たいワイン・リストには、1本2000ドルを超える「シャトー・オーブリオン」のような超高級ワインがさりげなく並んでいますが、私たちには手が届きやすいローヌ産のホワイトをいただきます。

いよいよ、ディナーの時間がやって参りました。

アペタイザーはスモークサーモンに生牡蠣、カリフラワー・スープと濃淡クレッシェンド仕立て。

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ナンタケット産のぷりぷり帆立とウニ贅沢なコンビを、青リンゴとレモン・ビネグレットであっさり風味に。

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ロブスター・ラザニアは、トリュフを豪勢に使って気品ある薫り高さ。

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キング・クラブに松茸の王冠を載せ、海草としいたけで仕上げた出汁が玉座といった趣き。

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白マグロに神戸牛、まさかの出会いをキムチ(メニューに明記されてます)が仲立ちする至極珍しい一品。

 

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レッドワインソースで踊るロブスターは、みずみずしい西洋ネギとキクイモのピューレと共に。

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ミルク・チョコレート・ムース、ピーナッツ・キャンディーで作った巣の上で愛らしい存在感を放つ。

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主役はマスカルポーネチーズが練り込んだアーモンドケーキではなく、冬期にはなかなかお目に掛かれないイチジク。

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バースデー・デザートは、主張し過ぎないサイズで。

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シーフード・フレンチの頂点を極めるだけに竜宮城で献上されそうな品々がそろい、満腹中枢がショートするかと思いました。サービスも申し分なく、先輩のサーバーが新人をからかう笑いのツボも心得ていて堅苦しさを一切感じさせません。

難癖をつけるなら、有名シェフのマイケル・ホワイト氏率いる「マレア(Marea)」と同じく規模の大きいレストランなだけあって大テーブルのけたたましい声がムードをぶち壊しかねないところでしょうか。またバターが利いたいかにも濃厚フレンチを求める方には、お勧めできません。ゆず、わさび、ポン酢など和物がふんだんに使われるように、非常に淡白かつ流麗で奥ゆかしさをたくわえておりますから。食材本来の味わいを引き出すシェフのテクニックには、完全降伏でしたよ。

(カバー、文中写真すべて:My Big Apple NY)

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