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バンク・オブ・アメリカ10−12月期は減収・減益、訴訟費用やコストが縮小も

by • January 15, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2252

Bank Of America Profit Drops 11% On Lower Bond Trading Revenue And Loan Activity.

バンク・オブ・アメリカ(BOA)が15日寄り前に発表した10—12月(第4四半期)決算では、純利益が前年同期比11.4%減の30億5000万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は29セントと、市場予想の31セントより弱い。収入は12.9%減の187億2500万ドルだった。訴訟関連費用が3億9300万ドルと、住宅ローン担保証券(MBS)をめぐり23億ドルを計上した前年同期からは大幅に縮小したものの、業績改善につなげられなかった。

純金利収入は前年同期比10.4%減の98億6500万ドルと、7−9月期の104億440万ドルだった。低金利とローン残高の減少で押し下げられている。非金利収入も15.2%減の90億9000万ドルとなり、7−9月期の109億9000万ドルから減少している。

コスト削減にいそしむなか金利を除く営業費用は18%減の141億9600万ドルとなり、7−9月期の214億3400万ドルも下回った。総従業員数は7−9月期から2.5%減の22万3700人にとどまる。BOAは訴訟費用と合わせコストを引き下げたものの、業績改善につなげられてない。

利益確保をねらい、費用を抑制。
bac
(出所:Bank Of America)

純金利マージンは、2.18%。7−9月期の2.29%および前年同期の2.44%を下回りウェルズ・ファーゴと同じく下方圧力を確認している。

グローバル・マーケット部門の損益は、前年同期比53%増の7200万ドルの損失を計上した。収入は25.9%減の23億7000万ドル。トレーディング収入が20%減の24億1000万ドルとなり、7−9月期の27億ドルからも減少した。債券・為替・商品(FICC)部門が22.1%減の15億ドルと、7−9月期の22億ドルからも大幅に減少。顧客の取引活動の減退からクレジットと住宅ローンが押し下げた半面、為替と商品は堅調だったという。株式は1.3%増の9億1100万ドルながら、7−9月期の10億ドルからは減少した。

グローバル・バンキング部門は、利益が前年同期比14.2%増の14億3300万ドルだった。収入は5.8%減の40億5700万ドル。前期からも減少している。投資銀行の手数料も12%減の15億ドルと、減収の一因に。平均の融資・リースの残高は商工ローンが押し上げ、1.4%増の2707億6000万ドルだった。

個人・商業銀行部門は、利益が前年同期比11.8%減の17億5800万ドルだった。収入は0.6%増の75億4100万ドル。平均ローン残高は2.2%減の1612億6700万ドルとなり、7−9月期に続き貸出の減少を示す。平均預金残高は4.1%増の5504億9900万ドル。新規クレジットカード発行枚数は19%増の120万枚となり、そのうち67%は既存顧客向けで7−9月期の64%を上回った。

住宅ローンを含む個人向け不動産サービス部門は、損益が前年同期比61.7%減の3億9700万ドルの損失となった。収入は31.5%減の11億7400万ドル。前期を上回ったものの、住宅ローン組成額が15%減の116億ドルと7−9月期の117億ドルからも減少し収入の重しとなった。

資産運用部門は、利益が前年同期比9.3%減の7億600万ドル。収入は2.7%増の46億200万ドルだった。顧客資産(運用資産、信託資産、証券資産、預金・融資など)は5.6%増の2兆4980億ドルとなり、市場の動きを反映し拡大している。長期資産の運用資産は94億ドルの資金流入を示し、22期連続で増加。2014年全体では、498億ドルの流入となる。運用資産は9.9%増の9020億ドルだった。

引き当て金は前年同期比44.9%増の2億1900万ドルとなり、7−9月期の6億3600万ドルから減少した。中核的自己資本(コアTier1)比率は10.3%となり、7−9月期の9.6%を上回っている。前年同期は11.19%だった。

2009年以来初めて会長職を兼任するブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、決算資料で「費用を低減させ訴訟問題を解決に導きつつ、2014年は事業そのものに投資し続けた」との見解を表明。また「消費者の預金・融資動向は堅調で、投資銀行部門でも先駆者だるポジションを維持した」と評価し、「経済とマーケットがもたらす機会を捉え挑戦に立ち向かうべく、2015年も良い経営状態で迎えている」と自信を示した。

2014年通期での純利益は前年比57.8%減の48億3300万ドル、1株当たり利益は36セントだった。収入は5.3%減の842億4700万ドルとなる。

——以上、訴訟費用と営業関連支出を抑制できたにも関わらずトレーディング部門で落ち込み、個人・商業部門での平均ローン残高も減少し、住宅ローン組成額も弱含み、残念な決算に終わりました。株価は一時4%下落。JPモルガンと同じ道をたどっています。

(カバー写真:Matt Rourke/AP)

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