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ゴールドマン10−12月期決算は予想超えも、主力部門は減収

by • January 16, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2593

Goldman Sachs Q4 Earnings Top Estimates Though Trading Revenue Declines.

ゴールドマン・サックス・グループが16日寄り前に発表した10-12月(第4四半期)決算では、純利益は前年同期比7.1%減の21億7000万ドルだった。1株当たり利益は4.60ドルとなり、市場予想の4.32ドルより強い。収入は12%減の76億9000万ドルながら、アナリスト予想平均の76億4000万ドルを上回った。報酬費用は11%減の19億6000万ドルとなり、7−9月期の28億ドルから減少。結果、2014年の報酬費用は収入の36.8%と5年ぶりの低水準となった。報酬費用の抑制を通じ、利益確保に努めた姿を浮き彫りとさせる。

主力の機関投資家サービス部門は、前年同期比8%減の31億4900万ドルと7−9月期の37億7200万ドルを下回った。債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入が29%減の12億1800万ドルで、市場予想の16億ドル以下に。7−9月期も21億7000万ドルにも及ばず、失望を招く結果となっている。欧州保険部門を2100万ドルで売却した影響を除いた場合は、19%減。信用商品や住宅ローン担保証券が落ち込み、好調な為替や商品を抑えた。株式は15%増の19億3000万ドルとなり、7−9月期の16億200万ドルも上回った。

競合とFICC部門の収入を比較してみると、以下の通りになります。債券トレーディング収入の落ち込みは、奇しくもGSが最大となりました。

バンク・オブ・アメリカ 22%減の15億ドル
シティグループ 16%減の19億9000万ドル
JPモルガン 23%減の25億2000万ドル
ゴールドマン・サックス 29%減の12億1800万ドル

GSの決算に話を戻します。

投資銀行業務の収入は前年同期比16%減の14億4000万ドルで、7−9月期の14億6000万ドルも下回った。合併・買収(M&A)など助言業務はが18%増の6億9200万ドルとなり、7−9月期の5億9400万ドルからも増加。タックス・インバージョン目的や小売や医薬品など再編を背景にM&A事業は活発化していた。引き受け業務は34%減の7億4800万ドルと、7−9月期の8億7000万ドルから減少。そのうち株式が20%減の3億4200万ドルと7−9月期の4億2600ドル以下に、債券も8.6%減の4億600万ドルと7−9月期の4億4400万ドルに届かなかった。

投資・貸出部門の収入は前年同期比15%増の16億9200万ドルだった。ただし、4−6月期の20億7200万ドルには届かなかった。投資運用部門の収入は、20%増の14億5900万ドルで4−6月期とはほぼ変わらず。運用資産は過去最大の1兆1500億ドルに達しており、新規の資金流入が200億ドルに及んだ。

投資管理部門の収入は前年同期比2%減の15億7000万ドルだったが、7−9月期からは7%上回った。資産管理総額は1兆1800億ドルと、280億ドル増加した。

中核的自己資本(コアTier1)比率は12.2%と、7−9月期の11.8%から上昇した。株主資本収益率(ROE)は9月末に続き11.2%だったものの、2013年の11%をわずかに上回った。

2014年通期の1株当たり利益は前年比10%増の17.07ドルだった。部門別の収入をみると、機関投資家サービスが3%減の152億ドルとなり、トレーディング収入が3%減の152億ドルで少なくとも金融危機以来で最低に沈んでいた。投資・貸出部門は、3%減の68億3000万ドルにとどまる。一方で投資銀行部門8%増の64億6000万ドル、投資管理部門も11%増の60億4000万ドルと増収を達成した。

営業費用は、ほぼ横ばいの221億7000万ドルだった。非報酬費用が4%減の94億8000万ドルとなっており、引当金や法務費用・コンプライアンス費用の縮小を反映している。

報酬費用は0.6%増の126億9000万ドルだった。上記したように収入に対する割合は36.8%と、1−9月期の40%から低下。2013年の36.9%も下回り、2009年の36%以来の水準へ落ち込んだ。報酬費用でみた従業員当たりの年収は37万3265ドル(約4350万円)となり、2013年の38万3374ドルを下回った。

——10−12月期の業績こそ市場予想を上回ったものの、債券トレーディング収入だけでなく投資銀行部門も落ち込みをみせました。ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)の見通しに反する結果となり、3年連続でトレーディング収入の減少を報酬費用の削減で補う羽目に。株価は素直に反応し、一時2%の下落を示しました。

(カバー写真:John R. Coughlin/CNN Money)

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