462640824

スーパーボウルの真の勝者は、ミッシー・エリオット?

by • February 2, 2015 • Gossip, Latest News, NY TipsComments Off11225

Missy Elliot, Who Stole The Super Bowl Half Time Show Could Be The Real Winner.

今年のスーパ—ボウル、ハーフタイム・ショーではポップ・クイーンのケイティ・ペリーが晴れ舞台に立ちました。共演は90年代にロックに新風を巻き起こし、そのルックスでファッション・センスで”クール”の代名詞となったレニー・クラヴィッツとあって、子供だけでなく大人も楽しみにしていたものです。それが、まさかこの方が登場しスタジタムを、全米を沸かせることになろうとは・・・。

はい、その方こそミッシー・エリオット。1997年にデビュー曲”The Rain(Supa Dupa Fly)“を引っさげ彗星のごとく現れた彼女は、それはもう衝撃的でした。リル・キムやフォクシー・ブラウンといったセクシー全開な女性ラッパーとは一線を画すどころか正反対の、ぽちゃぽちゃしたスタイル。その身体を黒くテカテカ光るゴミ袋に包んでラップするミュージック・ビデオは、視聴者の目を釘付けにしたものです。ミッシーのキレのあるラップとダンスは、盟友でプロデューサーのティンバーランドが生み出したチキチキ・ビートもあってヒッピホップ・ファンのみならず垣根を越えハウス・ピープルもトリコにしたものです。

奇抜なジャンプスーツ  でド肝を抜くミッシー、ミュージック・シーンを引っくり返してくれました。
Missy-Elliott-The-Rain-Supa-Dupa-Fly
(出所:Tuningpp)

ラッパーだけではなくプロデューサー、シンガーソング・ライターとしての才能を誇るミッシーは、早世したアリーアやホイットニー・ヒューストン、マライア・キャリーなどそうそうたる歌姫とコラボレートしてきました。90年代から2000年前半にかけ、間違いなくシーンを引っ張った先駆者であり、彼女がリリースした出した6枚のアルバムは全てプラチナ(100万枚)に認定され、4作目の”Under Construction”はダブル・プラチナに輝いています。もちろん、グラミー賞の受賞者でもあります。

そのミッシー、2005年のアルバムを最後にパタリと音楽シーンから姿を消してしまいました。ロバート・デニーロがプロデューサーとして彼女の半生を映画化する話が出ていたにも関わらず、バセドウ病に冒されてしまったのです。2011年に病気を公表したミッシー、曲を書くためにペンを持つことすらできなかったと当時を振り返っていました。

10年近くにわたり表舞台から遠ざかっていたために、ハーフタイム・ショーでは「Who is Missy??」といった質問がティーンエイジャーを中心にツイッターやソーシャルメディアで大量に飛び交い、別の意味でも大いに話題になったものです。

ツイッターでは、「ケイティがミッシーを有名にするんだろうな」との声まで飛び交う始末。
missy-1

(出所:E! Online)

10代にとって無名でも、著名音楽ライターが「ミッシーなしでニッキー(ミナージュ)はあり得ない」と豪語するほどの存在であるミッシーのカムバックは、ハーフタイム・ショー中にスマートフォンを見つめていた人々の顔を再びクリーンに向け上げさせるに十分でした。私も、まさにその1人です。

CNNの看板キャスター、アンダーソン・クーパーですら、舞台から去るミッシーに「行かないで!」のツイート。
missy-anderson
(出所:USA Today/Twitter)

どれだけスゴイ反響だったかというと、バズフィードがスーパーボウル後に「ミッシー・エリオットがスーパー・ボウルの真の勝者である証拠(Proof That Missy Elliott Was The Real Winner Of The Super Bowl)」と伝えるほどです。主役のケイティについて衣装をはじめセットやら鮫のダンサーやらをジョークでまとめていたことと、対象的ですね。

その他も、ミッシーを称賛する論調が多かった。ボストン・グローブ紙はハーフタイム・ショーで使った曲をもじり「ミッシー、スーパー・ボウルのハーフタイム・ショーで復活を遂げる(Missy Elliott uses Super Bowl halftime to ‘Work It’)」、マイクは「ミッシー・エリオットがスーパーボウルにて主役の座を奪う(Missy Elliott Just Stole the Show at the Super Bowl)」、NPRは「ミッシーが必要だった、ミッシーが見事なカムバックを果たす(’We Need Her’: At The Super Bowl, Missy Elliott’s Incredible Return)」と報じています。オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルド紙、英国の大衆紙ミラーまで、ミッシーにスポットライトを当てていました。

音楽ストリーム配信サービス大手スポッティファイではミッシーの楽曲ストリーミング数が676%もの飛躍的な増加を遂げ、特にケイティが衣装チェンジで舞台に立っていない時に披露した”Lose Conrtol”は1396%と、飛ぶ鳥を落とす勢いだといいます。そのほか、ハーフタイム・ショーでパフォームした2曲も急伸。ビデオで「これからみんなでめちゃくちゃ踊って騒ごう騒ごう」で始まり、曲自体にも1、2、3、4と日本語の拍子が入る”Get Your Freak On”は922%、”Work It”も896%に及んでいます。iTuneでも、ハーフタイム・ショーでプレイした3曲がそろってトップ10でのランクインを飾りました。

オクラホマの地方局まで、ミッシーにトリビュートを捧げております。こちらでは、ミッシーの復活を喜ぶファンのほかハーフタイム・ショーでの迫力あるステージも堪能できますよ。

今年のスーパーボウルの視聴者数は1億1440万人と、前年の1億1220万人を超え過去最高を記録しました。シアトル・シーホークスの逆転が第4クォーター終了間際には1億2000万人を突破したと言われていますが、接戦という事情に加えミッシーの功績も大きかったことでしょう。再びティンバーランドとタッグを組んで世に送るニュー・アルバムの発売が、今から楽しみです。

(カバー写真:CHRISTOPHER POLK/GETTY IMAGES)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.