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米12月雇用動態調査、採用人数はリセッション直前の水準回復

by • February 10, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1365

The Number Of People Hired Climbed To Pre-Recession Level In December.

米労働省が発表した米12月雇用動態調査(JOLTS)は、求人数が前月比3.7%増の502.8万人と市場予想の487.5万人を上回った。前月の484.7万人(497.2万人から下方修正)を抜け、2001年1月以来の高水準を遂げている。

新規採用人数は1.9%増の514.8万人となり、前月の505.4万人増を超えリセッション入り直前にあたる2007年11月以来の高水準を達成した。米12月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が改定値で42.3万人増加した結果と整合的である。

離職者数は4.0%増の488.6万人と、増加を示す。定年を含む自己都合による退職者も272万人と、前月の266万人を上回った。ただし解雇者数も173万人と、前月の166万人から増加している。

JOLTの求人率をみると、前月の3.3%から3.5%へ上昇した。民間が前月の3.6%から3.7%へ上向き、全体に寄与。民間のうち製造業、建設、専門・ビジネスサービス、教育・健康、娯楽・宿泊が上昇している。政府も前月の2.1%から2.3%へ上昇した。

就業者に対する新規採用率は、前月の3.6%から3.7%へ上昇した。民間が前月の4.0%を上回り4.1%へ戻している。政府機関は前月まで3ヵ月連続で1.4%を経て、1.5%上昇した。自発的および非自発的、あるいは引退などを含めた離職率は前月の3.4%から3.5%へ上昇。民間が前月の3.7%から3.9%へ戻したほか、政府も前月の1.3%から1.5%へ上向いた。自発的離職率は1.9%と、11月に続き2008年4月以来の高水準だった9月の2.0%以下にとどまる。2007年12月の2.1%到達がまたお預けになった。

12月までの過去1年間で、離職者数は5540万人、採用人数は5830万人だった。ネット採用者数は、290万人増となる。求人1件当たりの競争倍率は1.7倍と前月の1.8倍を下回り、景気後退に突入する直前の2007年11月の水準に低下した。

——以上、米12月雇用動態調査を受けたイエレン・ダッシュボードをおさらいしてみましょう。()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字を示します。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%
2004−07年平均 3.0%
現時点 3.5%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点) 2.0%
2004−07年平均 1.4%
現時点 1.2%

3)自発的離職率—×
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004−07年平均 2.1%
現時点 1.9%

4)採用率—×
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004−07年平均 3.8%
現時点 3.7%

5)非農業部門就労者数—○
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004−07年の3ヵ月平均 16.2万人増
現時点の3ヵ月平均 33.6万人

6)失業率—×
2009年10月(最悪時点) 10%
2004−07年平均 5.0%
現時点 5.7%

7)不完全失業率—×
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004−07平均 8.8%
現時点 11.3%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004−07年平均 19.1%
現時点 31.5%

9)労働参加率—×
2014年9月(最悪時点) 62.7%
2004−07年平均 66.1%
現時点 62.9%

——雇用動態調査は求人件数が2001年1月以来の高水準を遂げ、新規採用件数と自発的離職者数も増加しモメンタムの力強さをあらためて確認しました。米1月雇用統計・NFPも文句なしの好結果で、労働市場は順風満帆にみえます。強いて言うなら原油安ドル高に伴う企業の人員削減が懸念材料ですが、12月の解雇者数の増加で現れた程度。足元の米新規失業保険申請件数は低水準を維持しており、米1月チャレンジャー人員削減予定数の余波を微塵も感じさせていません。

前日に米連邦準備制度理事会 (FRB)が発表した1月労働市場情勢指数(LMCI)は 4.9ポイント上昇しました。 2014年12月は7.3ポイ ント上昇(速報値6.1ポイン ト上昇)に上方修正され、 過去6ヵ月間では0.5ポイントの引き上げとなります。結果、リセッションで370ポイント落ち込んだ後に331ポイント回復。バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは「年内にリセッション前の水準を回復する公算」と指摘し、6月の利上げシナリオを想定する同社の見方と整合的とまとめていました。

(カバー写真:Ariana Lindquist/Bloomberg)

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