White House Sent Labor Secretary To California In Effort To Solve West Coast Dispute.
米西海岸の港湾労働者ストライキのおかげで安定供給に支障が出たため、2014年12月にマクドナルドがフライドポテトの販売をSのみとする決断を下してから、はや2ヵ月。29ヵ所の港湾施設を管理する太平洋海事教会(PMA)と国際港湾倉庫労働組合(ILWU)間の労使交渉は、2012年末の財政の崖や2013年の債務上限引き上げ及び暫定予算交渉のごとく、こう着を保ったままです。ついにホワイトハウスは前週末、ペレス労働長官を仲裁に立てると発表しました。同長官は17日に早速、サンフランシスコ入りしています。
アジア諸国からの輸入の70%を西海岸で取り扱うとあって、日本のメーカーにも打撃が加わること必至。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙をはじめ、CNNやUSAトゥデーなど各メディアは日本の自動車メーカーの受難を報じています。ホンダのマーク・モリソン広報担当は16日、6ヵ所の工場で変速機や電子部品などの「部品不足」を理由に「減産あるいは生産停止」を決断する可能性があると発表。2014年新車販売台数・ブランド別売上で2位だったアコードのほか、5位のシビックなどに影響が及ぶ見通しです。
トヨタも「北米での超過勤務を調整した」と報告していました。スバルの最高財務責任者(CFO)である高橋充氏は、航空便への切り替えにより月々70億円のコストがかかると表明済み。せっかくの円安効果を霧散させかねません。日産は、現地での部品調達に依存しており現段階で影響は限定的だということです。
航空輸送するにも、大寒波と積雪が邪魔をする始末。
(出所:AP)
米国輸出業者からは、もっと悲痛な叫びが聞かれております。北米食肉協会によると、輸出できずに貯蔵庫で眠り続ける肉類の保管料金がかさみ、1日当たり8500万ドル(約101億円)の損失を計上中。農業は一段と苛酷な状況で、果実生産団体シェラン・フレッシュ・マーケティングのマーク・スペンサー氏いわくリンゴやオレンジなど果物は廃棄を余儀なくされています。
いつになったら、労使交渉が終わりを告げるのか。プレジデンツ・デーを含む4連休の閉鎖を経て17日には29ヵ所の港湾施設では荷役作業が再開されましたが、交渉がまとまらなければ亀のようにのろい作業員の抵抗は避けられません。こちらで指摘したように多大なる経済損失をもたらすだけに、早急な解決が望まれます。
(カバー写真:supplychain247)
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