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アカデミー賞、受賞者・候補者にみる復活劇の色彩

by • February 23, 2015 • Gossip, Latest News, NY TipsComments Off2850

Oscar 2015 :  Big Stars Come Back To The Spotlight.

今年もやって参りました、第87回アカデミー賞授与式。ハリウッドきっての豪華一大イベント、司会は歌って踊れてジョークもお茶の子さいさいなマルチ俳優ニール・パトリック・ハリスが初めて務めます。

パンツ一枚で登場する一幕も。さすがNPH、身体を張って笑わせてくれます!
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(出所:Funny Or Die)

ファッション・チェックはさておき、主要部門の受賞結果を候補作品と振り返りながらリストアップしてみました。受賞者は、☆マーク付きの下線で表しています。

【作品賞】
アメリカン・スナイパー(American Sniper)
☆バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(Birdman)
6才のボクが、大人になるまで。(Boyhood)
グランド・ブダペスト・ホテル(The Grand Budapest Hotel)
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(The Imitation Game)
セルマ(Selma)
博士と彼女のセオリー(The Theory of Everything)
セッション(Whiplash)

アカデミーに輝いたのは、「バードマン」です。同作品と、12年もの歳月をかけて撮り下ろした「6才のボクが、大人になるまで。」と、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の対比は、今の時代に必要だったのかもしれません。元有名人の成人男性が落ち目になり復活を目指す姿、両親の離婚を経て成長していく子供の成長は、まさに現代を象徴しているから。映画を通してITバブルや金融危機を経て出世の階段を踏み外した中年男性、そして離婚率が約50%のアメリカを生きる少年——この2人は映画を観賞する者に感慨を、勇気を、生きる意味を訴えてくれます。特に「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は、1989年と1992年に「バットマン」に主演し80年代後半から90年前半にかけ売れっ子俳優だったマイケル・キートンを主役に持ってきており、リアリティが俄然高まり共感も得られやすかった。

「アメリカン・スナイパー」は、ご存じクリント・イーストウッド作品で実話に基づいています。奇しくもアカデミー開催の約2週間前、主人公でありイラクで150人以上の敵方を銃弾により倒した「伝説の狙撃手」クリス・カイル氏ともう1人を殺害したエディ・レイ・ルース容疑者の裁判が開始。カイル氏のご遺族をはじめ、関係者の胸中は複雑極まりないことでしょう。

【監督賞】
☆アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 「バードマン」
リチャード・リンクレイター  「6才のボクが、大人になるまで。」
ベネット・ミラー  「フォックスキャッチャー」
ウェス・アンダーソン 「グランド・ブダペスト・ホテル」
モルテン・ティルドゥム 「イミテーション・ゲーム」

大金を投じても、良作が作られるとは限らない—候補作品の制作費は5000万ドル以下が多し。

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(出所:The Economist)

【主演男優賞】
スティーブ・カレル 「フォックスキャッチャー」
ブラッドリー・クーパー 「アメリカン・スナイパー」
ベネディクト・カンバーバッチ 「イミテーション・ゲーム」
マイケル・キートン 「バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
☆エディ・レッドメイン 「博士と彼女のセオリー」

マイケル・キートンやブラッドリー・クーパーなどの下馬評を覆し、エディ・レッドメイソンが獲得しました。ちなみに、エディとベネディクト・カンバーバッチの共通点はイギリス人というだけではありません。2人とも、2014年に婚約あるいは結婚を発表していました。ベネディクトは、舞台監督でオックスフォード大卒ソフィー・ハンターとつい1週間前の2月14日に結婚式を挙げております。エディの奥様であるハンナ・バグショー、PR担当の一般人とされていますが、エディンバラ大学で英仏文学の博士号を取得しておりソフィと同じく才色兼備であること間違いナシです。

さらにこの2人とも、スティーブン・ホーキング博士の役を演じたという共通点まで併せ持ちます。エディの場合は説明不要として、ベネディクトは2004年のTV映画「ホーキング」で博士を熱演していました。

【主演女優賞】
マリオン・コティヤール 「サンドラの週末(Two Days, One Night)」
フェリシティ・ジョーンズ 「博士と彼女のセオリー」
☆ジュリアン・ムーア 「アリスのままで(Still Alice)」
ロザモンド・パイク 「ゴーン・ガール(Gone Girl)」
リース・ウィザースプーン 「ワイルド(Wild)」

【助演男優賞】
ロバート・デュバル 「ジャッジ 裁かれる判事(The Judge)」
エドワード・ノートン 「バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
イーサン・ホーク 「ボーイフッド」
マーク・ラファロ 「フォックスキャッチャー」
☆J.K. シモンズ 「セッション」

名優ロバート・デュバル、84歳と助演男優部門で最高齢でのノミネートを記録しました。

【助演女優賞】
☆パトリシア・アークエット 「ボーイフッド」
ローラ・ダーン 「ワイルド」
キーラ・ナイトレイ 「イミテーション・ゲーム」
エマ・ストーン 「バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
メリル・ストリープ 「イントゥ・ザ・ウッズ(Into the Woods)」

映画「トゥルー・ロマンス」が印象的だったパトリシア・アークエット、両親のほか姉や弟の5人を含めた俳優一家で初のアカデミー候補者に躍り出ただけでなく受賞して喜びはひとしおでしょう。近年は作品に恵まれなかったものの、ドラマ「ミディアム」を経て新作「CSI サイバー」の放送を控え新たな花を咲かせました。スピーチでも、男女平等の同一賃金とともに女性の権利向上を訴え会場を大いに沸かせたものです。映画「ジュラシック・パーク」以降、スポットライトに恵まれなかったローラ・ダーンも顔をみせ、90年代に輝きを放った女優陣の返り咲きを感じさせますね。

【ベストアニメ映画】
☆ベイマックス(Big Hero 6)
ザ・ボックストールズ(The Boxtrolls)
ヒックとドラゴン2(How to Train Your Dragon 2)
ソング・オブ・ザ・シー(Song of the Sea)
かぐや姫の物語(The Tale of the Princess Kaguya)

「ベイマックス」、興行成績では2013年のモンスター・ヒット作「アナと雪の女王」に敵わず、ウォルト・ディズニーの2014年10−12月期決算を下押ししたものの、「アナ雪」と同じくベストアニメ映画作品賞を獲得。ジブリ作品の「かぐや姫の物語」、宮崎駿監督以外で初めての高畑勲監督での受賞が期待されたものの「千と千尋の神隠し」以来12年ぶりとなる快挙は果たせませんでした。

ちなみにアカデミーのスポンサーであるサムスン、去年はセレブ一同が顔を並べた世紀の自撮りを通じスマートフォン「ギャラクシー」を宣伝していましたよね。今回も、やってくれましたよ。ニール・パトリック・ハリス、アナ・ケンドリックと共にオープニングを華麗に飾ったジャック・ブラック、「ギャラクシー」を片手に登場したんです。スマホ市場での存在感が薄れつつあるだけに、広告戦略に抜け目はありません。主演女優賞に輝いたジュリアン・ムーアの夫がスピーチする妻を撮影したスマホがiPhoneだったために、放送局も気を利かせすぐカメラを切り替えることも忘れませんでした。

(カバー写真:InsideSoCalENT)

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