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イエレンFRB議長、3月に「忍耐強くなれる」の文言削除を示唆

by • February 24, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3733

Yellen Hints Removing ‘Patience’ In March,  Emphasizes No Rush To Rate-Hike.

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は24日、米上院銀行委員会で半期に一度の議会証言(旧ハンフリー・ホーキンス証言)を行いました。同議長は、「少なくとも向こう2−3会合で利上げはしない」と発言。一方で、声明文にある利上げに「忍耐強くなれる(patient)」との文言を3月17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で削除する示唆を与えています。

同議長は、文言の削除が必ずしも「その後の数会合で」利上げに踏み切ることを意味しないと説明。経済指標に対応するための柔軟性を示すとも論じています。その上で、経済指標が改善を続ければ「毎回の会合で利上げを検討する」とも明言しました。1月FOMC議事録でフォワード・ガイダンスの削除を議論していただけに、マーケットが過剰に反応しないよう注意を促したと言えます。

JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、”忍耐強くなれる”をめぐる証言内容を受け「3月FOMCで文言を削除する地ならしを行った」とコメント。同議長が「経済指標に対する見方は米1月FOMC声明文に沿って楽観的だった」ほか、労働市場の改善への評価、「PCEコアやTIPSベースでのインフレ見通し低下の不安を払拭させた」点に注目し、「6月利上げの予想を維持する」とまとめました。

BNPパリバは利上げシナリオを9月で維持したものの、「”忍耐強くなれる”との文言削除が3月となれば、6月の利上げもありうる」との見方を示します。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、Fed番のジョン・ヒルゼンラス記者をはじめとした連名の記事を配信。「イエレンFRB議長:経済改善で利上げ時期が近づく(Fed Chief Janet Yellen: Rate Increases Draw Nearer as Economy Strengthens)」と題した記事では、イエレンFRB議長が年内の利上げに備え地ならしを行ったと伝えています。

マーケットの反応をみると、ロイター報道では9月16−17日に開催されるFOMCでの利上げ織り込み度が56%となり議会証言の原稿が発表される前の54%を超えていたといいます。CNBCは、FF先物動向を踏まえ10月27−28日開催のFOMC利上げ織り込み度が69%に達し、9月の48%から上昇したと報道していました。議会証言以前は9月が54%、1月議事録のリリース前は63%に達していただけに、米株は議会証言を受けて買いが加速。少なくとも6月の利上げはないとの判断に傾き、ダウ平均とS&P500はザラ場・終値で最高値を更新していきました。

*最後の段落に情報を追加し、合わせて文章も編集しました。

(カバー写真:Washington Post)

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