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小売決算、ガソリン価格下落の恩恵はイマイチ

by • February 26, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2026

Retailers Outlook Not Impressive Enough Considering Cheap Gasoline Prices.

先日はリフォーム関連の決算を取り扱いましたので、今回は小売大手の決算を拾ってみました。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文で「ガソリン価格の下落が購買力の上昇につながる」と明記された一方、ウォルマートの決算然り小売業大手から朗報はあまり届いていません。女性下着ブランド”ビクトリア・シークレット”の親会社LBブランズが1月既存店売上高でショーさながらのアップビートっぷりをみせつけたものの、見通しは魔法が解けたかのように振るわず。格安百貨店シアーズも変わらず赤字を垂れ流し、同業コールズが明るいニュースを提供した程度です。各社の決算発表は以下の通り、パーセンテージは26日の株価動向を表しています。

▽Lブランズ
Lブランズが下落、0.5%安で引け。女性下着小売大手が発表した1−11月(第4四半期)決算では、純利益が前年同期比15.4%増の5億6480万ドルだった。 1株当たり利益は1.89ドルと、同社従来予想の1.78−1.80ドルより格段に強い。売上高は7%増の40億6870万ドルと、市場予想の4億4400万ドルを上回った。既存店売上高は6%増で、前年同期の1%増を大きく超えている。特に“バス・アンド・ボディ・ワークス”が8%増と寄与し、“ビクトリアズ・シークレット”も4%増だった。

同社は決算資料で「優位な立場を維持しており、大いに成長する機会に恵まれている」と楽観的な見解を表明していた。その割に2015年度の1株当たり利益を3.45−3.65ドルにとどめ、市場予想の3.82ドル以下に。2−4月期の1株当たり利益も0.50−0.55ドルとなり、市場予想の0.62ドルに届かなかった。見通しを嫌気し、株価は下落した。

▽シアーズ

シアーズは上昇、0.3%高で引け。格安百貨店大手が発表した11−1月(第4四半期)決算では、純損失が前年同期比55.6%減の1億5900万ドルだった。ただ利払い前税引き前償却前利益(EBITDA)では1億2500万ドルとなり、2012年11−1月以来の黒字に転じている。調整済みの1株当たり損失は1.37ドルと市場予想の1.89ドルより縮小した。売上高は23.5%減の81億ドルと、市場予想の83億1000万ドルを下回った。ホリデー商戦の既存店売上高は4.4%減で、“Kマート”が2%減、“シアーズ”は7%減となる。

決算発表と別に、同社は売上トップの200—300店舗をスピンオフ(分離・独立)させる計画を発表した。決算は不振だったものの、スピンオフと減益幅縮小を好感し上昇した。

▽コールズ

コールズが上昇、1.1%高で引け。格安百貨店が発表した1−11月(第4四半期)決算では、純利益が前年同期比10%増の3億6900万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は1.83ドルと、市場予想の1.80 ドルより強い。売上高は4%増の63億4000万ドルとなり、市場予想の63億3000万ドルを上回った。ホリデー商戦で営業時間を引き延ばした努力の甲斐あって、既存店売上高は3.7%増と5四半期ぶりに増加に転じている。

2015年度の売上高は1.8−2.8%増を予想。193億7000万—195億6000万ドルとなる見通しで、市場予想の193億6000万ドルを超えた。1株当たり利益は4.40—4.60ドルとし、レンジ中央値は市場予想の4.54ドルを小幅に上回った。決算・見通しそろって良好で、株価は素直に上昇した。

(カバー写真:torbakhopper/Flickr)

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