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米2月新車販売台数、大寒波と積雪で軒並み予想に届かず

by • March 3, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2178

February Car Sales Rise Less Than Expected Because Of Blustery Weather.

米2月新車販売台数は、ビッグ3そろって市場予想以下に終わった。ガソリン価格の下落と雇用改善という追い風を、記録的な大寒波と米北東部から南部まで襲った積雪が遮ったかたちだ。3月に反動で大幅増が期待される半面、ウェルズ・ファーゴがサブプライム層のローン組成額に上限を設定する方針であり、影響が注視される。

オートデータが発表した米2月新車販売台数は、131万台と市場予想の134万台を下回った。悪天候を背景に、前月の135万台以下にとどまる。年率では1623万台となり、市場予想および前月の1670台に及ばなかった。

ケリー・ブルー・ブックによると、2月の平均販売価格は前年同月比3.6%上昇の3万3299ドル(約400万円)となった。季節要因から、前月比では0.6%の低下を示す。前年比で価格が上昇した一因として、SUVやトラックなど高価格帯の好調な売れ行きが挙げられる。エドマンズ・ドットコムの調査では、特に2014年までの10年間でトラックの値上がりが著しく41%を遂げ、SUVの9%をゆうに上回っていた。平均ローン期間が67ヵ月と業界最高を記録していたのも、トラックが押し上げたと考えられる。

ガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の販売台数を超える見通しだ。

以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比4.2%増の23万1378台となり、市場予想の5.9%以下にとどまった。4大ブランド別では、2ブランドが増加し前月の3ブランドから前年比で減少している。トラックやSUVを抱えるGMCが19.3%増の4万2433台とけん引し、13年ぶりの高水準を達成。ガソリン価格の下落に支えられピックアップトラックは37%増、SUVは66%増だったという。次いでシボレーが3.8%増の15万9788台となった。一方で、高級ブランドのキャデラックは12.6%減の1万1739台と減少に反転。ビュイックは9.2%減の1万7418台と、2ヵ月連続で減少した。

フォードは2.0%増の18万383台となり、市場予想の5.8%減を大きく下回った。2大ブランド別では、そろって前年比で減少。おかげで、販売台数2位の座をトヨタに明け渡した格好だ。フォードが1.7%減の17万4129台となり、特に「エスケープ」は9.6%減だったほか、小型車にいたっては「フォーカス」の12.0%減をはじめ、そろって落ち込みをみせる。生産体制が整いつつあるものの、アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」は1.2%減の5万5236台と、前月から減少に反転した。ただし、「マスタング」は66.1%増の9511台と2006年以来で最高を記録。引き続き、大型SUV「エスケープ」は31.8%増の1万7027台を計上し、単月にて2007年以来の最高を示す。ただし、リンカーンは7.5%減の6164台にとどまった。

フィアット・クライスラー・オートモビルは、5.6%増の16万3586台となり市場予想の8.9%を下回った。とはいえ、前年比プラスは59ヵ月連続であり、単月ベースでは2007年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、3ブランドが前年比プラスを示し前月の5ブランドから減少。今回はジープが変わらず21%増の5万5642台と、1月に続き単月で史上最高を更新した。ラムは12%増の3万3991台となり、ピックアップトラックとしては、2004年以来の高水準を遂げている。クライスラーは13%増の2万8502台と、1月と合わせ2008年以来で最高を達成した。一方で、ドッジは15%減の4万2115台。フィアットも5%減の3289台と、そろって前年比でマイナスに転じた。

日本車では、トヨタが前年同月比13.3%増の18万467台となり市場予想の15%増に及ばなかった。 ただ、販売台数ではフォードを抜き2位に浮上している。ブランド別では、トヨタが12.1%増の15万7472台。前月に続き、「Rav 4」をはじめSUVが単月で史上最高を更新している。レクサスは、22%増の2万2995台と4ヵ月連続で過去最高を樹立した。

ホンダは5.0%増の10万5466台と、市場予想の11%増から大きくかい離した。もっとも、1月と合わせ単月で過去最高を打ち立てている。ブランド別ではホンダが4.1%増の9万2474台となり、小型車の「フィット」が過去最高を達成し全体に寄与した。アキュラは12.5%増の1万2992台と4ヵ月連続で増加した。特に「RDX」が過去最高を達成するなど、SUVが12.5%増とけん引したという。

日産は2.7%増の11万8436台となり、市場予想の5.8%増以下にとどまった。 ただし、1月を含め単月での過去最高更新を示現。ブランド別では日産が1.1%増の10万6777台、インフィニティにいたっては19.8%増の1万1659台だった。

2月版:自動車メーカー別のシェア、トヨタとフォードが並ぶ。

USA auto brand market share chart February 2015
(出所:Good Car Bad Car)

高級車部門別でトップに立ったのは、1月に続きメルセデス・ベンツで前年同月比5.2%増の2万5291台だった。2014年の年間ベースではBMWに首位の座を譲ったものの、2013年に勝ち取った王座奪取へ向け好位置を維持している。2位はBMWで14.5%増の2万5021台となり、前月の2位だったレクサスを抜き去った。3位は3ヵ月ぶりに2位に転落したレクサスで、22.0%増の2万2995台。4位は前月に続き、GM傘下のビュイックで9.2%減の1万7418台。5位も変わらずアキュラが12.5%増の1万2992台でランクインしている。6位も、キャデラックが12.6%減ながら1万1739台と前月のポジションを堅持。7位にはインフィニティが浮上し、19.8%増の1万1659台となる。アウディは14.3%増の1万1541台だったものの、前月の7位から8位に転落した。

なお、BMWのノルベルト・ライトホーファー最高経営責任者(CEO)は3日、スイス・ジュネーブ国際自動車ショーの討論会でアップルやグーグルをはじめ異種業者参入に強い危機感を表明。ロイターによるとソフトウェア、ネット接続などが自動車が課題になると警戒感を募らせていた。

その他の海外メーカーではアウディを除くVWは5.2%減の2万5710台と、5ヵ月ぶりに減少した。ヒュンダイは7.1%増の5万250台と3ヵ月連続でプラスを示した。

▽2月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 カムリ(トヨタ)13.6%増の3万2942台、前月は2位
2位 アルティマ(日産)7.7%減の2万8474台、前月3位
3位 カローラ(トヨタ)10.0%増の2万7839台、前月は1位
4位 フュージョン(フォード) 4.9%減の2万2732台、前月は5位
5位 アコード(ホンダ) 12.2%減の2万1616台、前月は4位
6位 シビック(ホンダ)2.5%減の2万1038台、前月は6位
7位 クルーズ(シボレー・GM)16.2%減の1万8301台 前月は7位
8位 クライスラー 200(フィアット・クライスラー)31.2%増の1万5805台、前月は10位
9位 エラントラ(ヒュンダイ)4.2%増の1万5708台、前月は11位
10位 セントラ(日産) 24.4%増の1万5354台、前月は9位

(カバー写真:Ford)

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