Too Late To Start Your Own Company? Learn From History.
日本では労働者派遣法の改正案が審議中であり、野党側は生涯非正規雇用を承認するものとして批判しているようですね。米国では労働市場の柔軟性に富み、日本の比ではありません。自動車工場では一時閉鎖でレイオフが進み、米新規失業保険申請件数が増加するなんて夏の風物詩になっています。金融危機が吹き荒れた2009年3月までの雇用統計・非農業部門就労者数3ヵ月平均が82.6万人減だったようにリストラの決断は風よりも早く、社員自身が会社に依存する暇すらないほど。労働者にとって苛酷な状況こそが、起業を志す人々の原動力となっているのかもしれません。
会社を立ち上げた成功者の年齢が、必ずしも若くないのもポイントです。
アメリカでは、弱冠19歳でフェイスブックを立ち上げたマーク・ザッカーバーグのほかに、これだけの著名人がアラフォーで会社を創立させてきました(以下、敬称略)。
▽35歳
ジャン・コウム ワッツアプ(チャット用アプリ)
マイケル・アーリントン テッククランチ(テクノロジー情報サイト)
ティム・ウェスターグレン パンドラ(音楽ストリーミングサイト)
▽41歳
マーク・ピンカス ジンガ(ソーシャルゲーム)
ロバート・ノイス インテル(半導体メーカー)
▽42歳
ロビン・チェイス ジップカー(カーシェアリング)
クレイグ・ニューマーク クレイグズリスト(ローカル情報総合サイト)
▽52歳
レイ・クロック マクドナルド(ファーストフード)
▽55歳
ジョン・ペンバートン コカコーラ(炭酸飲料水)
▽65歳
カーネル・サンダース ケンタッキー・フライドチキン(ファーストフード)
アメリカを代表する企業の、華麗なる面々が並びます。
(出所: Funders and Founders/Digital Synopsis)
その他の例も、非常に興味深い。映画”スター・ウォーズ”、”インディ・ジョーンズ”シリーズでスターダムを駆け上がった俳優ハリソン・フォードは、30代まで大工だったといいます。映画つながりで言うと”ライフ・オブ・パイ”と”ブロークバック・マウンテン”で2回にわたりアカデミー監督賞の栄誉に浴したアン・リーは、30代まで主夫だったとか。NBAダラス・マーベリックスのオーナーで日本版”マネーの虎”の”シャーク・タンク”にレギュラー出演するマーク・キューバンは、25歳までバーテンダーでした。世界で大ベストセラーとなり映画化でも大ヒットを記録した”ハリー・ポッター”シリーズの作者、J・K・ローリングが生活保護を受け取っていたシングル・マザーだったのは、あまりにも有名です。フォーブス誌の世界富豪リストの常連でザラの創業者アルマンシオ・オルテガも、30代まで服飾店舗のヘルパーでした。
起業には、リスクと手元資金がつきものです。あれこれ思案して、及び腰になってしまうのも事実。そんな時は、じっくり悩むのもいいでしょう。松下幸之助の名言に「楽観良し、悲観良し。悲観のなかに道があり、楽観のなかにも道がある」というものがありますしね。
(カバー写真:digitalbloggers)
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