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米3月フィリーは約1年ぶり低水準、設備投資見通しも弱含み

by • March 19, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1584

Philly Fed Manufacturing Index Falls To 13-Month Low, Leading Indicator Points To Moderate Growth.

米3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は5.0となり、市場予想の7.0を下回った。前月の5.2にも届かず。4ヵ月連続で低下した結果、13ヵ月ぶりの低水準を示した。

主要な項目の内訳をみると、そろって前月以下にとどまった。

・新規受注 3.9<前月は5.4、約1年ぶりの低水準
・出荷 マイナス7.8<前月は8.1、1月のマイナス6.9より悪化
・在庫 マイナス2.3<前月は15.2、分岐点割れに逆戻り

・雇用 3.5<前月は3.9、1月のマイナス2.0を上回る水準を維持
・週当たり平均労働時間 マイナス11.4<前月はマイナス6.0、2013年以来で最大のマイナス幅に

・仕入れ価格 マイナス3.0<前月は4.7、直近で初めて分岐点割れ
・販売価格 マイナス6.4<前月はマイナス0.2、3ヵ月連続で分岐点割れしたなかで最低

6ヵ月先見通し指数は32.0と、直近で最低を更新した前月の29.7から改善した。6ヵ月平均の45.1には届かず。項目別ではヘッドラインほど好転していない。受注残、入荷時間が上向いた程度で、新規受注、出荷、在庫、雇用、平均労働時間、設備投資など主要項目が軒並み前月から弱含んだ。

今回の特別質問項目は、2015年の設備投資計画について。2014年より設備投資を「拡大する」との回答から「縮小する」を差し引いたDIは14.9%にとどまり、4年ぶり高水準だった前年の28.8%から急低下した。「拡大する」との回答は43%、「縮小する」との回答は28%となる。

設備投資センチメントは、2014年から低下も2012−2013年よりは意欲的。
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(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

設備投資を拡大する理由として最も多かったのは老朽化の影響か「機器の交換」となっており、「売上増加見通し」や「稼働率が高く拡張する必要がある」との回答は前年と比べ低下した。

売上増加見通し(薄い茶色)、高水準にある稼働率(濃い緑)はそろって低下。
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(出所:Federal Reserve Bank Of Philadelphia)

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「全体的に下振れしておりヘッドラインよりモメンタムの低下が著しい」とコメント。ISM製造業景況指数に換算した場合は、「前月の51.7を下回る47.4と2013年4月以来の水準へ落ち込んだ」という。1−3月期平均もISM換算では「49.0と2014年10−12月期の55.7以下」で、製造業活動は2015年に弱含みでスタートしたと言える。

米2月景気先行指数は前月比0.2%上昇の121.4だった。市場予想および前月値と一致し、上昇トレンドを維持。一致指数は0.2%上昇の111.9、遅行指数も0.3%上昇の115.8と、それぞれアップサイドを保った。発表元であるカンファレンス・ボードのエコノミスト、アタマン・オジルディリム氏は結果を受け「景気先行指数は引き続き上昇したとはいえ、夏頃と比較すると伸びが顕著に緩やかになった」と指摘。雇用の改善および消費者信頼感の上昇を受けながら「経済拡大ペースが緩やかとなる可能性を示しており、産業や設備投資の減速が成長率を抑えつつある」とまとめた。

——米3月フィリーは米3月NY連銀製造業景況指数に続き鈍化、世界景気の減速や原油安をはじめ、大寒波と積雪、ドル高のインパクトが反映されていました。米2月景気先行指数でも、製造業関連が重しとなっていることは明白。3月FOMCで経済・金利見通しを下方修正したように、1−3月期は少なくともソフトパッチに入りそうです。

(カバー写真:Kazue Asano/Flickr)

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