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テスラ、オートパイロットの夢を3ヵ月後に実現へ

by • March 19, 2015 • Latest News, NY TipsComments Off2694

Tesla To Offer Self-Driving Car In 3 Months, Ends ‘Rage Anxiety’.

電気自動車(EV)メーカーのテスラが、また車を新境地に導きました。

19日開催の記者会見にてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、3ヵ月後に自動運転(オートパイロット)機能を“モデル S”に追加すると発表したのです。

オートパイロットといえば、2014年10月に販売を開始した”モデルS P85D”で搭載済みでは、と思われる方もいらっしゃるでしょう。現状のオートパイロットでは、こちらでご説明したように速度標識の認識、自動的な車線変更、危険物を予測した停車機能、自動車駐車——などにとどまりす。今回はマイナーチェンジどころか、劇的に進歩させました。会見を控え、「将来的に人間による自動車の運転は違法になるのでは」と大胆に占ったのは、ワケがあったのです。

今回の会見でマスクCEOが満を持して明らかにしたオートパイロットは、実際に運転手がハンドルを握ることなくアクセルやブレーキを操作することなしに、走行できます。サンフランシスコ—シアトル間(約1300km、車で約13時間)も、可能だとか。ただし米国内の道路では違法となるため、私有地のみでの利用を勧めていました。

走行距離への疑問も、解消します。ソフトウェア・アップデートを通じ、強風といった天候や地形などの情報を取得し目的地までの走行距離測定をより正確に弾き出すことが可能になりました。また新たに搭載された “トリップ・プランナー”は、目的地までの最適な充電ステーションを確認しドライバーに情報を提供、電池切れのリスクを回避します。

充電ステーション”スーパーチャージャー”も、ネットワークを広げてきました。テスラ・オーナーのみ利用可能で、80%までの充電、40分間無料のこちらは日本を含むアジアや欧州を含め海外を含め403ヵ所設置済み。かつて不満を漏らしていた俳優ジョージ・クルーニーは、アップグレードに何を思うのでしょうか。

スーパーチャージャー、西海岸や東海岸を中心にひしめく。
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(出所:Tesla)

そもそもこちらによると、60kwhのバッテリーパックを搭載する”モデルS”の走行距離は通常モデルで208マイル(約335km)、ライバルEVの80〜100マイル(約129km〜約161km)より格段に長い。”P85D”なら85kwhのバッテリーパックで270マイル(約435km)に達します。サンフランシスコ—ロサンゼルス間で381マイル、約6時間ですから、1日の通勤ならさほど問題となりそうにありません。ただソフトウェアのアップデートを受けて充電が可能な場所を確認できるのは、安心ですよね。

自動プラグイン装置も検討したようですが、次までのお楽しみ。
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(出所:Windell Oskay/Flickr)

イベントとは別に、ニュージャージー州での直営ディーラー販売を勝ち取り同社にグッド・ニュースを運んでいました。ニュージャージー州のクリスティー知事は18日、最大4店舗の営業を認める法案に署名。同州自動車委員会は、2014年に取り消した営業免許を再びテスラに与えたかたちです。消費者はオンラインでオーダーできるものの、販売を承認していない州で試乗ができず、テスラにとっては頭痛の種となっていました。

テスラ株は好材料が飛び込んだにも関わらず。2.5%安で引け。立ち会いは買いが先行し約3週間ぶりに200ドル台をクリアに抜けたものの、週初から3%も上昇したこともあって売りに反転しました。グーグルの自動運転カーは2014年4月時点で総走行距離100万kmに達するなか、EVメーカーであるテスラがどこまで距離を伸ばしてくるのかも不透明で、”事実で売る(sell the fact)”を招いたのかもしれません。

(カバー写真:Tesla)

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