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スイス国立銀行、マイナス成長視野も追加利下げに触れず

by • March 19, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1756

SNB Stays On Hold, No Additional Cuts In Sight.

スイス国立銀行(SNB)は19日に金融政策決定会合を開催し、市場予想通り政策金利である3ヵ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)誘導目標をマイナス1.25−マイナス0.25%で据え置きました。中銀預金金利も、3ヵ月物LIBORの中央値に並ぶマイナス0.75%で維持しています。

声明文で、スイスフラン(CHF)に対し「非常に過大評価されている」との判断をあらためて表明。必要な限り介入を続けるとの意志も打ち出しました。ただマイナス金利を受けて、いずれ下落するとも予想しています。

経済見通しは、18日に声明文などを公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)と同じく下方修正が目立ちます。成長率は1%増をわずかに下回る水準とし、2014年12月時点の見通しである約2.0%から引き下げました。金融政策決定会合前にスイス政府が発表した予想0.9%増と整合的です。声明文では、下方修正の理由として「CHF高」を指摘。「上半期は大いに減速する可能性」も点灯させました。成長下方修正に合わせ失業率は、緩やかに上昇する見通しです。

インフレ率は、2015年につき前年比マイナス1.1%と前回見通しマイナス0.1%から大幅に下方修正しました。2016年もマイナス0.5%と前回見通しの0.3%の上昇から劇的に引き下げており、2017年になってようやく0.4%上昇する見通しです。

今回のインフレ率(赤)は、現行の政策金利・中央値マイナス0.75%をベースに予想。オレンジは前回分。

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(出所:SNB)

BNPパリバのイブリン・ヘルマン欧州担当エコノミストは、2015年成長見通し下方修正につき「最悪の場合、2四半期のマイナス成長に及ぶリスクを点灯させた」と分析。リセッションに直面する上、デフレ入りを予想するにも関わらず、声明文で「為替介入以外に追加緩和策の必要性に言及しなかった」と振り返ります。SNBは、対ユーロでのCHF上限を撤廃したように「CHF高抑制にタオルを投げた」のでしょう。

(カバー写真:Márcio Cabral de Moura/Flickr)

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