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イエレン・マジック消滅!ダウ平均など3指数はそろって安値引け

by • March 25, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2048

Dow Erases Gains From The Rally After Last week’s Fed Announcement.

3月17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)がハト派寄りにシフトし、ダウ平均とS&P500が3月2日に示現した最高値に接近したのも今は昔。ダウ平均、S&P500、ナスダックは25日にそろって3日続落し、安値引けしています。また、ダウ平均とS&P500はサポートとして意識される50日移動平均線を割り込みました。終値ベースでは、1週間半ぶりの水準へ落ち込んでいます。おまけに、ダウ平均とS&P500の年初来リターンは、8 営業日ぶりにマイナスに転じてしまいました。

S&P500は、一目均衡表・雲の下限すら割り込み11日安値の2040.24pが迫る。

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(出所:Stockcharts)

フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が年内利上げを強調する一方で、「欧州から運ばれてくる緩和策の恩恵を打ち消す可能性」を指摘したように、ドル高が足を引っ張っています。米2月耐久財受注でドル高という打撃が製造業活動に波及していたことを確認、米株相場の重しになったことでしょう。

個別材料でも、ドル高への不安が重くのしかかりました。S&P500の最下位は半導体大手ラム・リサーチで、7.6%安で引け。ドル高での競争力低下が材料視され200日移動平均線を割り込み、テクニカル的な売りを招きました。関連株のエヌビディアも6.1%安、ブロードコムも5.1%安、マイクロン・テクノロジーも5.0%安と軒並み大幅安となっています。

ナスダック銘柄では、テスラも3.7%安で引け。CLSAは、電気自動車メーカー(EV)の投資判断を従来の”アウトパフォーム”から”アンダーパフォーム”ヘ引き下げました。目標株価も、従来の275ドルから220ドルへ下方修正。今年夏に発売を予定する「モデル X」生産をめぐる利益率低下のほか、需要への懸念を挙げていました。

食品大手クラフト・フーズ・グループとHJハインツが合併で合意しクラフト株が35.6%も急伸したものの、売りを止める材料とならず。ギリシャが欧州金融安定ファシリティー(EFSF)に返還を要求していた銀行救済基金の12億ユーロを、ユーロ圏財務相会合の作業部会が棄却し、売りに拍車を掛けました。

米1−3月期決算シーズンを控えた”プロフィット・リセッション”懸念が台頭しつつあるのか、月末を控えた利益調整売りの渦に巻き込まれたのか。あるいは、年内利上げへの不信感から今週末に金融政策について講演を予定するイエレンFRB議長にハト派寄りへ傾くようプレッシャーを掛けてきたのか。FOMC後の上昇を打ち消すとともにイエレン・マジックを消滅させたマーケットは、FRB議長に挑戦状を突きつけたのかもしれません。

(カバー写真:CNN Money)

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