U.S. Stocks Extend Losing Streak To 4th Day, Correction Ahead?
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策について講演する直前の26日、米株は4日続落となりました。
イエレンFRB議長の見解がハト派寄りと判断されれば、買い戻されるのでしょうか。BTIGの主席グローバル・ストラテジスト、ダニエル・グリーンハウス氏にしてみれば「足元の急落を経て、一時的に上昇に転じてもおかしくない」とか。ただし、長期的には「流れを変えるものとはならない」と予想しています。
CNBCによると、ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズのポートフォリオ・マネージャーであるマージ・パテル氏は「1−3月期に減益が見込まれ、ファンダメンタルズに良好な兆候がみえないとなれば、米株にはまだ下落余地がある」と分析。その上で、「春先に5−10%の調整を予想する」とまとめていました。
インデックス・フィナンシャル・パートナーのジャック・ブルージャン最高投資責任者(CIO)は、現状ではなく「4−6月期に何が起こるかが問題」と警告します。特に「4月の前半こそ要注意」と指摘。10月と同じく、決算発表を控える月は前半に「あっという間に5−7%も下落する傾向がある」ため、急激な下げに備える必要があると説きます。
決算発表を控える月の動向を振り返ると、過去1年間では以下のようになっていました。
・2015年1月前半
→2014年10−12月期決算を控え、1月6日までに米株は原油安の逆風にも耐えきれずそろって5営業日続落。同月7日には、軒並み1%以上の反発。
・2014年10月前半
→2014年7−9月決算を控え、同年10月月初からエボラ問題などを一因に急落した上にダウ平均は15日まで5営業日続落。ダウ平均は一時16000ドルを割り込み、一時460.07ドル安 の15855.12ドルと約3年ぶりの下げ幅を示現。17日以降に本格的に反発し日銀のサプライズ緩和もサポート。
・2014年7月前半
→2014年4−6月期決算を控え、同年7月前半は16800〜17000ドルのレンジ。
・2014年4月前半
→2014年1−3月期決算を控え、同年4月10日にモメンタム銘柄を中心に売りが広がりダウ平均は続落、16000割れが接近。14日にダウ平均は約160ドル高の反発へ転じる。
・2014年1月前半
→2013年1−3月期決算を控え、2014年1月前半は16300〜16400ドルのレンジも、1月後半からはテーパリング開始、中国の景気減速懸念、エマージング通貨安を背景に急落。ダウ平均は2月3日までに15350ドル付近まで下げ幅を拡大。
以上、2014年1月のケースは前半ではなかったものの2014年7月を除き株安局面を迎えていました。
26日の米株相場で最も下落したセクターは公益、次いで裁量消費財でした。裁量消費財をめぐっては対ユーロでのドル高が響き、コーチはS&P500構成銘柄のうち下落率3位の3.6%安となっています。ティファニーも2.0%安、マイケル・コースも2.0%安、自動車関連のフォードも1.1%安でした。そのほか、サンディスクは18.5%も急落。売上減少やドル高の圧迫を受け、2015年および1−3月期見通しを下方修正したためです。サウジアラビアがイエメン反政府勢力への空爆に踏み切ったため原油相場こそ51ドル台を回復したものの、エクソン・モービルをはじめ原油関連も売りが目立ちました。
ひとまず、今後の相場のモメンタムを読み解くカギはバイオテクノロジー関連にあります。文字通りモメンタム銘柄であり、ディフェンシブの側面もあって市場参加者が買いやすいためです。代表銘柄”ナスダック・iシェアーズ・バイオテクノロジーETF(iShares Nasdaq Biotechnology ETF、ティッカー:IBB)”をみると、本日は0.14%安。指数と合わせ、続落していました。
IBB、50日移動平均線を控え下落にブレーキ。
(出所:Stockcharts)
4月3日の米3月雇用統計、同月8日からの1−3月期決算シーズン開幕を控え、マーケットは神経質な展開が続く可能性を残します。月末・四半期末のドレッシング買いが入ったとしても、月初の調整売りに気をつけたいところです。
(カバー写真:Charlie Phillips/Flickr
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